
バスなどの公共交通は、いま必要としている人を支え、 いつかの「わたし」を支えるかもしれません。 ふだん乗らない人にも、知ってほしいことがあるから、 この特集をお届けします。


藤原さんがバス通学を始めたのは、高校への入学を機に、親から勧められたことがきっかけでした。
朝6時30分、馬天入口からバスに乗り、市役所で乗り継いで向陽高校へ。早起きが苦手な藤原さんにとって、当初は朝の早さが大変でしたが、今ではすっかり慣れたといいます。
車内では単語帳を開くなど、移動時間を勉強に活用するようになりました。 「バスに乗るようになって、時間の使い方が少し上手になったと思います」と藤原さん。 卒業後は県外の大学への進学を希望しています。将来の夢は、起業すること。
毎朝のバスは、学校へ向かう足であると同時に、夢へ向かうための時間も運んでいます。
藤原さん自身は、バスがなくなっても家族の送迎で通学できるかもしれません。しかし、「何とかならない家庭もある。困る友達も多いと思います」と、公共交通が必要な人の存在にも目を向けます。
バスに乗り始めて知ったことがあります。それは、「奥武島から昇る朝日が、めっちゃきれい」ということ。いつものまちも、移動手段を変えるだけで、少し違って見えるものです。たまにはバスに乗って、あなたなりの新しい発見を探してみませんか。


知念の具志堅に暮らす吉田あゆみさんは、運転免許を持っていません。通勤も買い物も、ほぼ毎日Nバス。あゆみさんにとって公共交通は、日々の暮らしに欠かせない足となっています。
母・末子さんの通院は月に1回。以前は一人で通っていましたが、現在は病院から家族の付き添いを求められているため、あゆみさんが一緒に出かけます。
以前は予約制の「おでかけなんじぃ」を利用していましたが、より安い市民料金で利用できるNバスに切り替えました。
目的地へ直接向かう「おでかけなんじぃ」とは違い、Nバスは市内を巡りながら走ります。普段は自宅で過ごすことが多い末子さんにとって、車窓からさまざまな景色を見る時間も、月に一度の楽しみになっています。
休日にも、あゆみさんはできるだけ母親を外へ連れ出します。外の空気や景色に触れて、これからも元気に過ごしてほしい。その親子の時間を、Nバスが支えています。
「多くの人が乗ってくれないと、バスがなくなるかもしれない。ほかに移動手段がない人は、外に出られなくなるんです」
利用する人が少なければ、今ある交通の維持も難しくなります。そうなれば、末子さんだけでなく、地域で暮らす多くの高齢者の外出機会が失われかねません。

目的地まで自分で運転したり、家族に送ってもらえたり。 それが「当たり前」な人も、きっと多いはずです。 でも、そうした選択肢がない人にとって、 公共交通は、暮らしをつなぐ大切な存在です。 そして、今は乗っていない私たちや家族にも、必要になる日が来るかもしれません。 「公共交通」を、わたしたち全員のものとして考えてみませんか。
毎日乗らなくても構いません。休日の買い物や家族との小さなお出かけなど、まずは一度、車以外の移動を選んでみる。そんな「たまに乗る人」が増えることが、誰かの今の暮らしと、いつかの私たちの選択肢を未来へつないでいきます。
家族に送ってもらった日の帰り道や、別々に帰宅する日には、片道だけバスを選ぶ方法もあります。 すべての移動を変えるのではなく、使いやすい場面から。送迎する家族の負担も、少し軽くなるかもしれません。
遠くへ行かなくても、バスに乗ること自体が子どもには小さな冒険です。窓から見える景色、降車ボタン、バスの乗り換え。いつもの公園や夏休みの海への道にも、車では気づかなかった発見があるかもしれません。
お祭りやスポーツ観戦、地域の催しの日は、駐車場や渋滞が気になるもの。そんな日こそ、公共交通を試す機会です。 駐車場所を探す時間も含めて考えると、バスの方が気楽に移動できることもあります。
市民アンケートで一定の関心が寄せられた、那覇空港までの直行バス。 2026年8月から、南城市役所と那覇空港を約50分で結ぶ実証運行が始まる予定です。旅行や出張の際に、ぜひご利用ください。
| 運行期間 | 8月21日(金)(予定)〜2027年1月31日(日) |
|---|---|
| 運行日 | 金・土・日・月・祝日 |
| 運行本数 | 1日3往復 |
| 運賃 | 大人1,300円 / 小人650円 |
| 所要時間 | 約50分 |
| 運行区間 | 南城市役所バス停 ⇄ 那覇空港 |
| 南城市役所発 → 那覇空港着 | |
|---|---|
| 10:00 | 10:50 |
| 12:30 | 13:20 |
| 15:00 | 15:50 |
| 那覇空港発 → 南城市役所着 | |
|---|---|
| 11:30 | 12:20 |
| 13:30 | 14:20 |
| 16:00 | 16:50 |
※途中のバス停では乗り降りできません。
南城市公共駐車場(1日100円)に車を停め、市役所バス停からリムジンバスに乗り換えるのもおすすめです。送迎の負担軽減や、空港での駐車料金を節約できます。
本計画は、市民、企業、交通事業者、南城市の役割分担のもと、地域が連携して公共交通を維持し、そのための利用促進や利便性向上を図るために策定しました(対象期間:2026年度〜2030年度)。
暮らしを支え、にぎわいを生み出し、
まちのみんなで未来へつなぐ 持続可能な公共交通



地域(住民・利用者・企業等)が主体的にかかわる取組を推進

教育、福祉、観光、商業などさまざまな分野と共創により取組を推進


南城市では、市民、企業、学校、交通事業者、行政などが、公共交通の利用状況や地域の課題を共有し、 改善に向けた取組を話し合う「(仮称)なんじょう交通まちづくりパートナーシップ」の設立を予定しています。 検討した内容は南城市地域公共交通会議へ報告し、計画の評価や次の取組につなげます。
