《2026年7月号》久高島とつながる

久高島とつながる
 

海に張った網を、島の大人と子どもたちが力を合わせて手繰り寄せる。久高島に受け継がれてきた、追い込み漁。とれたての魚を、自分の手でさばき、その場で味わう。世代を超えて受け継がれた暮らしと知恵が、子どもたちの手へ、やさしくつながる。

  • 追い込み漁
  • さばく
 

久高島は、つなぐ。

この日に行われた追い込み漁は、久高小中学校・幼稚園が年に一度おこなう一大行事です。海に張った網へ魚を追い込み、皆で手繰り寄せる、島に古くから受け継がれてきた漁。児童生徒や保護者だけでなく、島の住民やウミンチュも加わって、島ぐるみでおこなわれます。学校行事に地域の人々がともに関わるのは、久高島ならではの姿。子どもたちは、海の恵みをいただく知恵と、それを支える人の手の温かさに、まっすぐ触れていきます。 今年の漁獲は、記録的に少なかったそうです。自然を相手にする漁の、正直な姿でもあります。それでも、島のおじいに教わりながら、とれた魚を自分の手でさばいていく時間は、何にも代えがたいものです。

継承の受け手は、島で生まれ育つ子どもたちだけではありません。久高島留学センターで寝食をともにしながら暮らす、島外出身の山村留学の子どもたちも、その輪の中にいます。

この日、初めて魚を一匹さばいた中学生は、「さばき方も事前学習してきたけれど、やってみると本当に難しい。でも、すごく楽しい」と笑顔を見せてくれました。別の生徒の保護者は、「魚を一人一匹おろすなんて、都会ではなかなかできません。しかも、とれたその場でさばいて食べる。子どもには本当に貴重な体験です」と話します。自分たちでさばいた魚は、温かい魚汁になりました。海から食卓まで、ひとつながりの時間を味わいます。

漁に協力した島の方は、こう話してくれました。「都会では体験できないことを、この島でたくさん経験してほしい」。こうして久高島は、先人から受け継いだ文化や暮らしを次の世代へとつなぎ、山村留学の子どもたちを通して、島の外へもつないでいるのかもしれません。

島の中でも、島の外へも。久高島が人と人をつないできた営みは、長く続けられてきました。では、同じ南城市に暮らす私たちは、久高島とどうつながれるでしょうか。

  • 魚を捌く
  • 魚
  • 食べる
久高島 くだかじま

南城市の東方に位置する周囲約8kmの離島。琉球開闢(かいびゃく)の地と伝えられ、稲作などの文化がこの島から本島へ広がったとされる。今も、島の自然とともにある暮らしと祈りが受け継がれている。人口229人(令和8年5月末現在)。

久高島と、つながる。

01 知る・ふれる

サイト

島の日常や営みを発信する交流サイト「わたしとつながるシマ時間」とInstagramがあります。地域おこし協力隊が関わり、島の人々の声や日々のできごとを届けています。フォローすれば、いつでも島の今が手元に届きます。

▶︎ 久高島交流サイト(note) 「わたしとつながるシマ時間」
▶︎ Instagram(SNS)

02 関わる

島の外からも、楽しんで関われる取り組みがあります。昨年度の久高島特産品販路拡大事業で生まれた「利き塩セット」(下写真)は、島内の複数事業者の塩を集めたもの。その商品づくりでは、地域おこし協力隊が「島の魅力を伝える写真」を全国から募り、130枚の応募から選ばれた2名の作品(左写真)が、商品のポストカードなどになりました。

島外の人の「関わりたい」が、実際のかたちに。参加型の企画は、これからも予定されています。

  • 久高の海

    ©木塚雅貴

  • 久高の空

    ©nouris

  • 商品

03 訪ねる

尋ねる

そして、いつか島へ。船で渡り、島の時間に身を置いてみる。その一歩も、いつでも待っています。

島へは安座真港から1日6便運航しています。所要時間は、高速船で約15分、フェリーで約25分。島には訪れる際のルールがあります。詳しくは久高島公式サイト「久高のシマ時間」でご確認ください。

▶︎ 久高島公式サイト 「久高のシマ時間」

外と内を、つなぐ。

地域おこし協力隊からのメッセージ

甚田 知世

地域おこし協力隊
甚田 知世(じんたともよ)

沖縄には、20歳の頃から「いつか住んでみたい」と思い続けていました。慌ただしく過ぎていく日々の中で「子どもが巣立ったあとかな」と思っていましたが、ふと「今でもいいのかもしれない」と思えたことがきっかけで、「これまで13年間携わってきたまちづくりの経験を生かせる仕事はないだろうか」と検索をしました。そのとき偶然見つけたのが、南城市の地域おこし協力隊の募集です。不思議と迷いはなく、ご縁に導かれるように応募しました。

現在は大阪での仕事も続けながら、本島側に住み、二拠点での生活をしています。久高島を訪れる日々の中で感じるのは、時間の流れ方の違いです。何かに急かされることなく、人の営みや自然のリズムに合わせて、時を丁寧に重ねていくような感覚があります。そして、島で出会った方々からいただく言葉に、忘れかけていた大切なことを思い出させてもらっています。「飛行機が通ったら手を合わせて、みんなの無事を祈るんだよ」「毎朝ヒヌカンに感謝を伝えてから一日が始まる」「すべては海からやってくるんだよ」―― そうした何気ない言葉の中に、この島を守り続けてきた営みがあるのだと感じています。

一方で、島には人手が足りていない現実もあります。ひとりでいくつもの役割を担いながら、島の日常を支えておられます。これまで久高区が実施してきた船内アンケートには、島を大切に思う方々からの温かいメッセージが数多く寄せられていました。「何か力になりたい」という声も多くあります。そうした島の外にいる人たちの想いと、島の中の現状をつなぎ、住んでいなくても関わり続けられる関係を広げていくことが、私の役割のひとつだと考えています。

島には、イラブー燻製のように、人と人が少しずつ関わり合いながら続いてきた営みがあります。そうした島の営みに、外からそっと加わっていけるような関わり方を、これからもご一緒できたら嬉しく思います。

久高島は、関わるほどに豊かさを感じられ、日々の暮らしの中に生きる知恵があふれている場所だと感じています。少しでも気になった方は、交流サイトやInstagramをのぞいてみてください。そして、「関わってみたい」と感じていただけたなら、その一歩を踏み出してもらえたら嬉しいです。

イラブー(海蛇)の燻製

継承される島の営み:イラブー(海蛇)の燻製

地域おこし協力隊とは

都市部などから地方へ移り住み、地域の活性化に取り組む人のことです。総務省の制度で、市町村の委嘱を受けて活動します。南城市では、甚田さんが久高島を拠点に、島と島外をつなぐ活動に取り組んでいます。

このページは秘書防災課(広報係)が担当しています。

〒901-1495 沖縄県南城市佐敷字新里1870番地
TEL:098-917-0256   FAX:098-917-5424

問い合せはこちらから

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