南城市地域活動支援センター「野の花」では、創作活動や生産活動、地域交流などを通じて、障がいのある方々の日中の活動をサポートしています。
この日は、市内事業者からの依頼でお菓子の袋詰めを行っていました。生産活動(軽作業)の一環で、利用者が社会とつながる機会となっています。
利用者の西村信哉さんは企業で働いていたところパニック障害を発症。「再び就労できるように少しずつステップアップしていきたいです」と前向きに話しています。
野の花の精神保健福祉士・増山美波さんは、障がいのある人への理解を呼びかけます。 「現在、社会生活上の障がいがなかったとしても、いつどのような事情でハンディキャップを負うことになるかわかりません。そもそも、いまの時代、誰でも何かしらの生きづらさを抱えて生きているのではないでしょうか。また、年を取れば誰もが誰かの助けを必要とする時がきます。障がいのある方が暮らしやすい社会をつくることは、誰もが生活しやすい社会につながります」
野の花では、ショッピングやスポーツなどの余暇活動も行っています。誰にでも「楽しみたい」「社会に参加したい」という気持ちを叶える権利があります。障がいを持っていても、サポートを受けたり、みんなで一緒にすることでできることもあります。
南城市全体が暮らしやすいまちになるために、私たち一人ひとりが「心のバリアフリー」を実現し、助け合うことが大切です。困っている人を見かけたら、「何かお困りでしょうか?」と一声かけてみましょう。
「心のバリアフリー」とは、さまざまな心身の特性や考え方を持つすべての人々が、お互いに分かり合うために、話をしたり、支え合うことです。そのために、一人ひとりがバリア(障壁)を取り除く行動を続けていく必要があります。ポイントは以下の3つです。
まずは、自身のまわりに気を配って、さまざまな人々の困りごとや痛みを感じることのできる力をつけることからはじめましょう。そして、障がいのある人と対話をして、どんなことを求めているのかを理解することが重要です。
障がいが個人の心身機能の障がいと社会的障壁の相互作用によって生み出されるものであり、社会的障壁を取り除くのは社会の責務であるという考え方です。社会的障壁は、段差のような物理的バリアのほか、制度的、文化・情報面、意識上のバリアが存在します。障がいに対する「無関心」や「遠慮」などの意識上のバリアを取り除くことも、社会的障壁を減らす一歩となります。