「表彰されるのは初めて。おどろきでした」 少し照れくさそうに笑うのは宮城柚季さん。今年の尚巴志ハーフマラソンで、女子の南城市民1位に輝きました。特に決まった練習メニューはありません。

「いつ走るとか、何キロ走るとかは決めていません。走ることを“きつい”と思いたくないんです。“楽しい”と思える時間でいたいので」

練習場所の公園に行っても、気分がのらない日はそのまま帰ることもあるそうです。
 「性格的に、みんなに合わせて無理してしまうタイプなので、走る時間だけは自分のペースでいたいんです」

大会当日は、1キロ5分ペースを意識。新里ビラでは、歩かないことだけ気をつけ、最後まで自分のリズムを崩さず完走しました。

「目標はいつも、去年の自分の記録を超えること。尚巴志ハーフは、参加者が歩いたり、食べたり、自由に走っている雰囲気が好き。それぞれの楽しみ方で走っているのがいいですよね」

自然体で走る宮城さんの姿には、ランニングの原点があるようです。

 常連ランナーが名を連ねる中で、新星のように市民1位・総合5位へと躍り出たのは、今年5月から南城市に住む田辺凌雅さん。本土企業から赴任し、沖縄での新しい生活を始めたばかりです。

「南城市は坂が多く、海風もあって、力をつけるには最高の場所です。本当にご縁に恵まれたと思っています」

中学・高校では短距離選手。大学時代、登山中にトレイルランニングと出会い、長距離の魅力に目覚めました。

尚巴志ハーフマラソンへの出場は今回が初めて。序盤は30番台を走っていましたが、新里ビラを抑えめに登り切ると、他の選手がペースを落とす中で順位を上げ、6番目に浮上。さらにニライ橋・カナイ橋では前方のランナーとの距離を縮め、最後の直線で5番目の選手を抜き去りました。  「正直、きつかったです。富士五湖ウルトラマラソン（118km）で男子10位に入ったこともありますが、尚巴志の方が苦しかった印象です」

今後はNAHAマラソン、そして宮古島100kmワイドーマラソンに出場予定。「宮古島では年代別で1位を狙いたい」と静かに闘志を燃やします。