《2023年3月号》幼児教育ってなぁに

幼児教育ってなぁに
 

遊びのなかで、頭も体も心も、動く。

上の写真の子どもたちは、何をしているのでしょう。小さな切り株のくぼみが臼に見えたのでしょうか。餅つきごっこをしているようです。 森の斜面で、木の幹をしっかりつかみ、平衡感覚を保つことで身体機能を成長させます。お友達と協力してひとつの世界をつくり、想像力を膨らませます。

手作りの射的遊びでは、指先を使い、 わりばしとゴムを調整しながら命中率をあげていく。遊びに使う用具やルールは、すべて子どもたちでアイデアを出し合い、工夫して作り出している。

また、お友達と意見が対立するとき、自分の思いを言葉で伝えたり、アイデアを出し合って新たなルールを考え出したりしながら、達成感や満足感、充実感を味わい、成長します。

このように、幼児期(1歳前後〜6歳頃)は、知識を与えられて身につけるだけの時期ではなく、遊びを中心として、頭も体も心も動かして、主体的に、様々な対象と直接かかわりながら、総合的に学んでいきます。そうした中で次第に自立していき、生きる力の基礎(後伸びする力)を身につけていきます。

幼児教育が「後伸びする力」に。

非認知能力とは

海外の研究では、幼児教育がその後の生涯にわたる学業、仕事、家庭生活等で多面的に影響を与えることが明らかにされ、幼児教育に関心が高まっています。なかでもIQや学力(認知能力)以外の、数値では測れない「非認知能力」が注目されています(上図)。

幼児期は遊びの中で育つ

例えば、自制心や忍耐力といった非認知能力の高い子どもは、授業に集中し、粘り強く課題に取り組むなど、認知能力の向上が将来的に見込まれます。 非認知能力は幼児期に特に発達し、主体的な遊びのなかで培われると言われています。

幼児期の遊びは、自分でやり抜く自立心や、あらゆることに興味を持つ探究心、人との関わりの中で生まれる思いやりやコミュニケーション能力などの非認知能力を育み、大人になってから豊かな「花」を咲かせる、後伸びする力の「種」と言えるでしょう。

子どもと社会のウェルビーイング。

ウェルビーイング

高齢化、環境問題、健康や不平等の拡大など、現代における「豊かさ」は経済的側面のみでは測れないものになっています。そんな中、OECD(経済協力開発機構)は、新たな教育のフレームワーク「エデュケーション2030」の中で、これからの教育はウェルビーイングを重視すべきだと明記しています。厚生労働省は、この言葉を「個人の権利や自己実現が保障され、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念」だとしています。

OECDでは、非認知能力を「社会情動的スキル」と呼び、ウェルビーイングな社会を推進するために特に重要な役割を果たすとしています。

その子が将来、ウェルビーイングな社会でウェルビーイングな人生を送るために、幼児期の今、楽しく主体的に遊ぶことが大切です。

家庭の中で、子どもと心をつなぐ。

遊び以外にも、親や大人たちとの心の絆=愛着を形成することでも非認知能力は育つと言われています。 しかし、育児をする中で、子どもとのコミュニケーションは大切だと分かっていても家事などに追われ、なかなか子どもと関わる時間がとれないのが現状だと思います。そこで、「子どもと心を通い合わせるコツ」を紹介します。

  • 子供の鼻をツンッと つまんでみよう

    子供の鼻をツンッと つまんでみよう

  • ポンッと肩に手をのせ 振り向いたらニコッ

    ポンッと肩に手をのせ 振り向いたらニコッ

例えば、食事の準備をしている時に「○○ちゃん!」と呼んでみてください。「な~に?」と言ったら、「なんでもない。ちょっと呼んだだけ」と微笑んでみましょう。また、洗い物をした冷たい手で、ニッコリと笑いながら子どもの鼻をやさしくつまんでみてください。子どもは「な~に?」と不思議そうな顔をしながらも、まんざらでもない顔をします。

あるいはテレビを見ている子どものおでこを軽くつついてみましょう。子どもが振り向いたら、ニッコリ笑顔。このようなことを1日10回やっても10秒程です。しかし、子どもにとっては「10回も自分を見てくれた!」ということになり、親の愛情を確認できたことになります。

子どものつぶやき、ひろってみよう。

また、子どもの言葉に耳を傾けることで、自ずと親と子が触れ合うきっかけになり、子どもの安心感・自己肯定感・コミュニケーション力の向上につながります(下図)。ぜひお試しください。

  • あいさつは誰としていますか?

    あいさつするとき
    あいさつをすることで、言葉を交わし合う喜びを味わうことができます。

  • 遊んだときの子どものつぶやきは?

    戸外や自然の中で遊ぶとき
    感動体験をすることで表現が豊かになります。

  • 地域の人とどんな会話をしましたか?

    地域の人と関わるとき
    世代を超えて会話することで、多様な言葉に出会えます。

  • 子どもが話した一日の体験は?

    寝る前にホッと
    心の安定は、自分の気持ちを言葉で表現する力を育みます。

  • 繰り返し「読んで」という絵本は?

    読み聞かせのとき
    読む人の温もりを感じ、言葉の持つ響きやおもしろさなどに出会えます。

  • 印象に残った会話は?

    お迎えのとき
    手をつないでおしゃべり。聞いてもらえる喜びが、伝える意欲を育みます。

幼児教育センターを設置しました。

南城市幼児教育センター の2つの柱

※令和5年度より「子育て支援課」は「こども保育課」と「こども相談課」に再編されます。

これまで、幼児教育を取り巻く行政環境として、幼稚園を所管する教育委員会と、保育所・認定こども園を所管する福祉部とが別々に存在し、保育者に対する研修の機会や内容が均一ではないという課題がありました。また、同様な理由から幼児教育施設と小学校の効果的な接続にも困難をかかえていました。

本市では、これらの課題を解決するため、今年度「南城市幼児教育センター」を設置しました。センターは教育委員会(教育指導課)と福祉部(子育て支援課(※))が連携して運営し、市内の幼児教育施設の教育・保育の質向上および幼児教育施設と小学校との円滑な接続を図ってまいります。

  • 合同研修の様子

    合同研修の様子

  • 巡回訪問の様子

    巡回訪問の様子

また、センターには幼児教育アドバイザー、幼小接続コーディネーター、保育支援員といった専門員を配置し、市内の幼児教育施設の支援を行います。

幼児教育アドバイザー

幼児教育アドバイザー
  • 氏名 大城 美恵子
  • 所属 教育委員会 教育指導課
  • 業務 教育・保育の質向上に関する業務
  • 経歴 公立幼稚園の園長を歴任

幼小接続コーディネーター

幼小接続コーディネーター
  • 氏名 伊集 恒子
  • 所属 教育委員会 教育指導課
  • 業務 保幼こ小連携に関する業務
  • 経歴 公立幼稚園の教頭を歴任

 保育支援員

保育支援員
  • 氏名 親川 裕子
  • 所属 福祉部 子育て支援課(※)
  • 業務 保育に関する支援
  • 経歴 公立保育所の所長を歴任

 

このページは秘書防災課(広報係)が担当しています。

〒901-1495 沖縄県南城市佐敷字新里1870番地
TEL:098-917-0256   FAX:098-917-5424

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