目 次
※南城市観光振興計画は、観光振興計画書と調査報告書の2部構成となっています。調査項目等の詳細については、「調査報告書編」をご参照ください。
南城市は、平成18 年1月1日に佐敷町、知念村、玉城村、大里村の1町3村が合併して誕生しました。
旧町村には、自然や海、歴史や文 化、レジャー施設などの多種多様な素晴らしい観光の対象となる資源がありました。南城市として合併したことによって「南城市の観光」としての幅は大きく広 がったといえます。沖縄観光という視点では、那覇空港からの交通アクセス(国道58 号・沖縄自動車道)や大規模集客施設等の関係から那覇市、中・北部地域が主な観光地という現状となっています。
今後は、南城市として合併により 大きく広がった観光の幅を活かし、県内外からの観光客の誘客を図ることによって、様々な面で南城市の活性化を行うことが期待されます。しかし、斎場御嶽に 代表される琉球の精神文化の中心地であるという独自性や南城市の大きな宝である自然や史跡等は、人が多く訪れることによって壊れ、二度と元の姿には戻らな くなってしまうという危険性も持ち合わせていることから、単純に観光客を誘客すれば観光振興が図られるということではありません。
南城市の今の観光資源等を将来においても活かせるように保全、場合によっては規制しながら、守るべきものと活用すべきもののメリハリをつけた観光振興を図ることが求められます。
そこで、南城市の観光振興を政策的に推進していくために南城市観光振興計画を策定し、総合的・体系的な計画観光振興を検討し、南城市として目指す観光の方向性を明確にし、それを確実に実行していくための方策を位置づけることを目的とします。
南城市観光振興計画は、「観光振興の趣旨をみんなが理解し、実行していくための指標」であるとの視点に立ち、以下の点に留意し、計画策定を行いました。
~だれもが理解し、共感し、伝えることができる内容であること~
観光振興を行うためには、行政・企業・市民が協働で取り組む必要があり、そのために、だれもが理解し、共感し、伝えることが出来る内容である必要があります。
~明確なビジョンに基づく具体的な目標値の設定を行うこと~
現状打破と計画だけで終わらないために、漠然とした目標だけではなく、南城市に適した数値目標のあり方を示す必要があります。
~目標実現のための実行組織の有り方を示すこと~
現状を打破する目標実現のために、今までの取り組み等を踏まえ、目標実現のための実行組織の有り方を示す必要があります。
~目標実現に向けた役割分担を明確にすること~
目標を実現するためには、実行組織だけではなく「いつ、誰が、誰に対して、何をする」というみんなの役割分担が必要となります。この役割分担まで明確にして初めて、最初の留意点が活きてくることとなります。
本計画の位置づけは、南城市の上位計画である南城市総合計画及び南城市都市計画マスタープランと密接に関連し、かつ国及び県の観光関連計画等と整合を図りつつ策定を行うこととします。
観光振興計画策定年度である平成19 年度を準備期間として、平成20年度から平成29年度までの10 年間とします。
計画内容については、現時点で将来の社会情勢の変化などを予想し10年先の個別施策まで明確に策定することは難しいことから、課題の重要度等を勘案して、目標年度を設け、前期・中期・後期の3年ごとの見直し評価を行い、最終の年で計画見直しを行うこととします。
南城市の観光振興の課題に対応する施策を行うために、目指すべき方向性を定めるため、基本方針を設定します。
基本方針は、観光振興計画の前提を踏まえたうえで、南城市の観光振興を具現化するための取り組みを包括する基本理念に基づき、かつ課題を網羅するものとして、以下の6つを設定します。
自然・歴史・文化が織りなすハーモニー
~ こころとからだの健康・癒し なんじょう ~
南城市の観光振興数値目標
観光振興策の効果を把握するために、定量的に評価できる数値目標を設定します。
南城市内の観光対象となる施設等は、県外からの利用者はもちろん、県内の利用者の割合も高いと考えられます。そこで、現在の南城市において、ある程 度把握することが可能である通年の観光関連施設利用者数を観光振興計画の目標値とし、観光施策の展開によって発生する利用者数の増減を評価指標として把握 することが適しているといえます。