南城市では、令和8年1月から水道料金を改定いたします。今回の改定は、沖縄県企業局からの購入費用の大幅な値上げや物価高騰による動力費・薬品費などのコスト増が主な理由です。
南城市の水道事業は、平成20年4月の料金改定以降、安定した経営を維持してきましたが、残念ながら令和7年度には、初めての赤字予算を計上せざるを得ない状況となっています。
今後も市民の皆様へ安定的に水道サービスを提供し続けるため、ご理解とご協力をお願いいたします。
新しい水道料金は、令和8年1月1日から適用されます。
使用開始時期 | 適用される料金 |
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令和7年12月31日以前から使用 | 令和8年1月検針分(2月請求)までは旧料金 令和8年2月検針分(3月請求)から新料金 |
令和8年1月1日以降に使用開始 | 最初の検針分から新料金 |
※令和8年1月に開栓し、同月中に清算した場合も新料金です。
モデルケース 【使用水量】 |
単身世帯 【月8㎥】 |
3~4人世帯 【月20㎥】 |
業務用 【月50㎥】 |
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現行料金 | 1,289円 | 3,599円 | 13,139円 |
改定後料金 (増加額) |
1,619円 (+330円) |
4,523円 (+924円) |
16,492円 (+3,353円) |
※世帯人数は目安であり、実際の使用水量によって料金は変動します
外部有識者や水道利用代表者(市民、各種団体、法人)で構成される『南城市上下水道事業運営検討委員会』において、慎重な審議を重ね、委員会からの意見等を踏まえ改定案を作成しました。その後、令和7年6月に議会での議決を経て、令和8年1月からの料金改定が確定しました。
今回の料金改定は、沖縄県の水道料金の改定が直接的な要因となっております。沖縄県では、物価高騰(電気料金等の上昇)、老朽化施設の更新費用などによる経営状況の悪化が見込まれるため、今後も4年ごとに適正な料金水準を検討するものと伺っております。
南城市におきましても、経営戦略の改定に合わせ、沖縄県と同様に4~5年ごとに料金体系の見直しを行う予定です。
料金改定を行わない場合、令和9年には預金残高が0円になり、令和16年には約14億4,600万円の赤字、当年度純損益が約1億6,900万円の赤字となる見込みです。これにより経営が悪化し、将来にわたり持続的な事業運営を行うことが極めて困難となります。
その結果、計画的な水道管の更新ができず、老朽化した水道管が放置され、漏水のリスクが高まります。また、大規模な災害などにより漏水が発生した場合、長期にわたる断水となり、市民の日常生活に大きな影響を及ぼす恐れがあります。
水道管の法定耐用年数は40年です。法定耐用年数を超えた管路延長の割合を示す「管路経年化率」は、令和5年度が6.8%でした。これは全国平均の25.4%に比べ低い数値ですが、今後、耐用年数を超える水道管が増えていくことから、老朽化の状況にあわせて計画的に更新を行っていく必要があります。
また、南城市の水道管路(基幹管路)の耐震適合率は、令和5年度時点で19%です。全国平均の43.3%と比較するとかなり低い状況です。地震、台風、豪雨など自然災害が発生すると水道管・施設も被災し、断水が発生します。これを防ぐためには災害に強い耐震管への更新を進めていく必要があります。
水道事業は、市民生活に不可欠なサービスです。
今後も将来にわたり、安全・安心な水道サービスを安定的に提供し続けるために、計画的に水道管や施設の改良更新を行う必要があります。このためには、今回の水道料金改定が不可避であると考えております。
料金改定だけでなく、一層の経営改善に努め、水道事業経営の安定化を図り、今後もより良いサービスの提供に取り組んでまいります。
利用者の皆様におかれましては、今回の水道料金改定にご理解いただけますようお願い申し上げます。