
● はじめに
1. 市政運営の基本姿勢
2. 令和8年度の主要施策について
(1)ひとが育つ
(2)ひとが活きる
(3)くらしの質が高まる
(4)地域が元気になる
(5)まちが整う
3. 令和8年度行財政改革について
4. 令和8年度当初予算について
● むすびに
令和8年2月定例会の開会にあたり、市政運営にあたって私の所信の一端を申し述べ、市民の皆様並びに議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
はじめに、私はこれまで旧大里村議会議員から南城市議会議員、そして沖縄県議会議員として、南城市を良くしたいという想いから多くのことに取り組んでまいりました。様々な活動をする中で、自ら市政運営の舵取りを担い、より違った形で市の発展を強く推し進めたいと考えるようになり、この度の市長選に挑むことを決意いたしました。選挙においては、地域の隅々まで入りながら多くの市民の声を聞くことで、現在の本市に対する期待感や直面する課題を肌で感じることができました。これまでに聞いた市民の声を決して無駄にすることなく、そして感謝の気持ちを忘れずに市政を運営していく決意でございます。全力で全ての市民の幸せの為に頑張りますので、宜しくお願いいたします。
さて、本市は令和8年1月1日に市制施行20周年という大きな節目を迎えました。これまで市の発展を支えてこられた関係各位に対し心から感謝申し上げます。
平成18年の合併以来、本市は「一体的な都市づくり」を明確化し、市中央部を「先導的都市拠点」、新庁舎周辺を「中核地」として位置づけ、各地域拠点を公共交通で結ぶ多核ネットワークの骨格を着実に整備してまいりました。
この20年間で、本市の人口は約6,500人増加し、合併時の減少傾向から増加に転じました。これは平成22年に那覇広域都市計画から離脱し、市独自の都市計画を策定したことが大きな転機となりました。戸建てや集合住宅などの宅地開発が進展し、商業施設も増加するなど、住環境の向上が人口増加を促進しました。
先導的都市拠点では市役所庁舎複合施設や公共駐車場を整備し、南部東道路の南城つきしろインターチェンジ周辺では組合施行による区画整理事業を実施しております。
教育環境においても、この20年の間に小学校7校、中学校1校、幼稚園4園、学校給食センターなどの施設が改築され、計画的な整備が進みました。一部過疎地域に指定された知念地域では学校施設を利用した公設民営の「知念未来塾」の開設など、地域の実情に合わせた学びの支援も広がっています。
観光においては、令和7年度に設立された観光地域づくり法人(DMO)を中心として地域の多様な関係者を巻き込み、観光を手段として幅広い産業へ受益を広げ、地域社会、地域経済の好循環を図り、持続可能な観光まちづくりの実現に向け取り組んでおります。
産業面では、市の特産品認定制度「沖縄南城セレクション」や地域物産館での特産品販売促進によって地元素材を活かした商品づくりが活発化し、農水産物ではサヤインゲン、オクラ、マンゴー、モズクなど県の拠点産地認定も増え、畜産では「なんじょう和牛」という新たなブランドも動き出しました。
これまで進めてきた、大里北小学校跡地については、分譲住宅用地・集合住宅用地、多目的広場などの土地利用も地域住民の意向を踏まえた事業計画となり、着実に事業が進捗し、若者の定住化促進に向けた施策が実りつつあります。
長引く物価高に対しては、これまでに低所得世帯や子育て世帯への支援をはじめ、市民の負担軽減を目的としたさまざまな施策に取り組んでまいりました。
しかしながら、依然として生活者の負担は大きく、国においても昨年12月に追加の経済対策が表明されました。本市としても、物価高騰による影響を受ける生活者や事業者を支援するため、令和8年度も引き続き「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」を活用し、全市民へ商品券配布や水道料金減免などの負担軽減策に加え、子育て世帯については、幼稚園・小学校・中学校の給食費の値上げ分に対する支援や、保育園などの給食費支援を行い、保護者の負担軽減策を実施してまいります。
物価情勢は予断を許さない状況が続いておりますが、国の施策を注視し、市民の暮らしを守るため、迅速かつきめ細やかな対応に努めてまいります。
本市は豊かな自然・歴史・文化、そして地域のつながりが多く残る魅力あるまちでございます。この貴重な資源を最大限に活かし、次の20年に向け、市民の皆様と新たな時代を築き、共に歩み、将来像である「海と緑と光あふれる南城市」の実現に向け、全力で取り組んでまいります。
市政運営については、本気の改革と市民主役のまちづくりを実現するために、公約に掲げた、南城市を元気にする4つの基本政策を進めてまいります。
これに加え、総合計画に掲げる5つの基本方針に基づき、総合的なまちづくりを推進してまいります。
それでは、総合計画の基本方針に沿って、概要についてご説明いたします。
市民の暮らしの質を向上させ、地域の未来を担う人材を育成するため、社会の変化に柔軟に対応できる環境の整備に取り組んでまいります。
こども家庭センターにおいては、妊娠出産期から子育て期まで切れ目なく母子保健と児童福祉を一体的に支援し、安心して子育てできる環境の整備、連携体制の強化に努めてまいります。また、医療的ケア児や特別な支援を必要とする児童及び保護者に対しては、引き続き、保健、福祉、教育、関係機関が連携し、切れ目ない支援を実施してまいります。
すべてのこどもの健やかな育ちを支え、子育て家庭の多様な働き方やライフスタイルに関わらず利用できる「乳児等通園支援事業」を新たに実施します。また、これまでの従来型子どもの居場所に加え、様々な困りごとを抱えているこども及びその保護者へ福祉的な相談援助を行う拠点型こどもの居場所を新設し、自己肯定感を高め貧困の連鎖を断ち切り、自立を促す支援・連携体制の強化に努めてまいります。
放課後のこどもの居場所については、放課後児童クラブを増やすとともに、児童館、放課後ひろば等に加え、学校やムラヤー等を活用し、こども達が安全・安心に過ごすための多様な居場所づくりに努めてまいります。
本市のこどもたちの多様な想いが盛り込まれている「こどものまち宣言」の周知・啓発を幅広く展開するとともに、こども・若者がまちづくりについて話し合い、意見を表明する機会の確保を図ります。また、こどものまち宣言を具現化し、人権・平和・主権者教育を拡充してまいります。
幼児教育推進体制整備事業では、幼児教育施設への保育訪問支援や職員研修を継続して実施し、幼児教育の質の向上に努めます。また「架け橋期」において、幼児期の「遊び」を通した学びと、小学校における「自学的な学び」とを円滑につなげていくため、3つの資質・能力を「主体的・対話的で深い学び」を通して育んでまいります。さらに、幼保小職員を対象とした公開授業・公開保育を通して、互いの教育・保育の理解を深め、滑らかな接続に向け一層推進してまいります。
タブレット端末の再整備を行い、ICT機器やデジタル教科書との連携した協働的な学びの充実を図ってまいります。更に、ICT支援員による教員や児童生徒へのサポートを継続し、ICTを活用したわかる授業・魅力ある授業づくりに取り組んでまいります。GIGAスクール構想の推進により、学校のICT環境は急速に進展しています。多くの児童生徒が同時にネットワークに接続できるように通信環境の整備を進めるとともに、ディスプレイ式電子黒板の整備も進めてまいります。
各学校の管理職を中心として、すべての教職員の特別支援教育に対する理解を深めるとともに、学習環境の整備および支援体制の強化に取り組み、一人ひとりの能力を最大限に伸ばすことができるよう、特別支援教育の充実を図ってまいります。
不登校の未然防止や不登校児童生徒の社会的自立に向けた各種施策を展開するため、不登校児童生徒支援体制強化事業を実施し、学校や関係機関と連携し、情報共有を図りながら児童生徒が多様な学びを受けられるよう支援してまいります。
児童生徒が生まれ育った環境に左右されることなく、安心して学校生活を送ることができるよう、各地区にスクールソーシャルワーカーを配置し、関係機関と連携しながら、児童生徒や家庭が抱える困難の解決に取り組みます。また、スクリーニング未実施校への導入を拡大し、全ての児童生徒を網羅的に把握するとともに、課題の早期発見に努め、必要な支援を図ってまいります。
「主体的・対話的で深い学び」を創る授業改善を進め、児童生徒一人ひとりが自らの可能性を見出し、資質や能力を育むことで、確かな学力を育成してまいります。
こどもたちが安心して学ぶことができる教育環境を確保するため、校区内児童の増加により教室が不足している大里北小学校及び佐敷小学校においては、新たに校舎の増築を進めてまいります。老朽化対策が急がれている佐敷小学校特別教室棟については、改修を進めてまいります。
快適な学習環境の確保のため、知念小学校、百名小学校及び久高小中学校においては、空調設備の更新を進めてまいります。佐敷小学校及び知念中学校においては、バリアフリートイレの整備を進めてまいります。
国や県の給食費無償化支援事業等を活用し、保護者の経済的負担を軽減すると同時に、地元産食材「地産地消」を推進し、安心安全で充実した学校給食の提供を目指してまいります。
市の発展に貢献する人材輩出を目的に、意欲ある学生が経済的理由により、高等教育機関への進学を断念することなく、目的達成のため勉学に励めるよう、引き続き、給付型奨学金給付事業等の充実や制度の周知強化を図り、学習する環境の支援拡充を図ってまいります。また、これまでスポーツや文化活動で優秀な成績を収めた団体や個人に対し、派遣費用の一部を補助してまいりました。今後も継続的にこどもたちが安心して活動できる環境づくりに取り組んでまいります。
外国語や異文化を体験学習する機会をとおして、語学力と心の豊かさを養うとともに、国際性豊かな人材を育成するため海外短期留学やESLキャンプを実施してまいります。
市民一人ひとりが地域社会の中で役割を持ち、生きがいを感じながら活躍できる環境づくりに取り組んでまいります。
ムラヤー構想における地域づくりの拠点であるムラヤー(自治公民館)整備の拡充や、冷房設備及びLED照明器具の整備について取り組んでまいります。併せて地域活動を支援することにより、地域コミュニティの形成や地域活性化を促進し、担い手育成・伝統文化継承等地域を元気にする取り組みを行い、市民と行政との「協働のまちづくり」の推進を実施してまいります。
近い将来、人口減少や高齢化が進む中で、地域の活力維持、次世代の担い手の人材確保を積極的に行うため、移住定住促進における三世代同近居支援事業補助金などの施策を継続的に行ってまいります。また地域おこし協力隊の活用も行い地域課題解決、コミュニティの活性化を支援してまいります。
一部過疎地域となった知念地域については持続可能な地域活動を目指し、知念地域移住定住支援補助金を継続的に実施し若者世代の移住定住を促進してまいります。さらに久高島においては若者のUIJターン促進や地域の担い手確保から久高島移住定住促進住宅の整備事業に取り組み、生活環境の基盤整備を図ってまいります。
第2次南城市男女共同参画行動計画改定版に基づき関係機関と連携し、女性の活躍と社会参加の促進に向け取り組んでまいります。またジェンダー平等の実現の施策についても取り組み体制を構築してまいります。
市民が安全・安心に暮らせる環境を整備し、健康で質の高い生活を送ることができるまちづくりを推進してまいります。
今年も全国で多くの災害が発生し、県内でも令和7年7月28日に南北大東村で記録的な大雨により住宅等に浸水被害が確認されました。災害発生時には「自助・共助」が重要となります。災害時の初動に備えて、避難経路や避難場所など避難方法を記載した個別計画書の作成を推進するため、要支援者本人、ご家族や支援者へ周知啓発してまいります。また、身近な「自助・共助」の役割を担う自治会及び自主防災組織等と連携し、平常時から要支援の状況把握や、災害発生時の迅速な対応に繋がるよう支援体制を構築するため、避難行動要支援者名簿の提供に関する協定の締結について、引き続き取り組んでまいります。
持続可能な防災の実現には、単に災害に備えるだけでなく、災害から市民の生命と財産を守りながら、長期的な視点で地域の安全性を推進するため、南城市総合防災訓練や自主防災組織向け避難所開設・運営訓練を実施してまいります。さらに、備蓄食糧の更新も行い応急体制を強化してまいります。併せて、市民の防災意識の醸成にも注力し、防災力の向上に努めてまいります。また、市民へ迅速かつ正確な情報伝達を行い、被害の最小化と市民の安全確保を実現するため、市防災システムの更新作業を行ってまいります。
知念半島の命と暮らしを守る国道331号バイパスの早期整備に向けて昨年2月に開催された住民総決起大会で示された市民の思いを踏まえ、引き続き、市内各種団体と連携し国に要請してまいります。
安心で安全に暮らせる環境づくりのため、引き続き、各自治会への防犯灯設置補助を行ってまいります。また、闇バイトや振り込め詐欺などの被害を未然に防止するため、広報・啓発に努めてまいります。重大な交通事故の発生を抑えるため、地域、各種団体及び警察と連携して、交通安全対策と啓発に取組み、市民一人ひとりの交通安全意識の向上を図ります。併せて、消費トラブルから市民を守るため、身近な消費生活相談や情報提供に努めてまいります。
地域包括支援センターでは、地域型センターや社会福祉協議会、自治会、民生委員・児童委員、老人クラブ等の関係機関・団体等との連携強化を図り、高齢者がいつまでも住み慣れた地域で住み続けられるよう「地域包括ケアシステム」の深化・推進に努めてまいります。高齢者の社会参加では、ムラヤーを活用した地域ふれあいミニデイサービスや住民主体の自主体操サークル等の介護予防事業への参加を促し、地域における役割と繋がりを保ち、住民同士が支え合う仕組みによって高齢者が認知症や介護が必要な状態になっても安心して生活できるよう支援してまいります。
高齢者や障がいを持つ方々の意思が尊重され、地域社会において「自分らしい生活」を送れるよう権利擁護の推進に取り組んでまいります。
令和8年度新たに立ち上がる「基幹相談支援センター」を主軸に、特別な支援を必要とする児童生徒が通う放課後等デイサービス事業所等の関係機関と連携を深め、研修等を実施してまいります。障がい者も健常者も住み慣れた地域において互いを尊重しあい共に暮らし、協同したまちづくりに参加できるよう生活上の不安や困りごとに関する相談窓口及び連携体制の構築を進めてまいります。
地域住民の複雑化・複合化した地域生活課題や狭間の支援ニーズに対し、高齢・障害・こども・生活困窮の各分野の連携体制を構築し、誰一人取り残されることのない包括的な支援体制の整備に努めてまいります。また、就労の状況、心身の状況、地域社会との関係性その他の事情により、生活に困っている方に対し、一人ひとりの状況に併せて、フードドライブ等を活用した食料支援や仕事、住まい、家計の立て直し等、様々な支援を提供いたします。
子ども医療費については、子育て世帯の負担軽減を図るため、制度の継続に努めてまいります。また、健康寿命の延伸及び医療費の適正化に向け、生活習慣病の重症化予防の取組について強化してまいります。
市民の要望を踏まえ、4月から段階的に取っ手付きごみ袋の販売を拡充いたします。また、ごみの排出抑制やリサイクル推進のため、一般廃棄物処理手数料を新年度から見直し、ごみの減量化に取り組んでまいります。循環型社会を推進するため、市民へごみの排出抑制の啓発を行いながら、ごみの減量化やリサイクルに取り組んでまいります。
特有の歴史文化の中で独自に保護されてきた久高島のヤシガニは、食用を目的とした島外への持ち出しが後を絶たず、島民とのトラブルが発生しています。また、ヤシガニは成長が遅く、一度減少すると回復が困難なため、保護条例の策定に取り組んでまいります。
佐敷海岸においては、県による馬天地区の港湾整備や新開地区の護岸改修計画が進められており、関係機関との連携・協力を図りつつ、海辺に親しめる住環境づくりとして背後の遊歩道や公園等の整備改修事業の導入に取り組んでまいります。
耐災害性の機能強化として、前年度に引き続き、馬天小学校屋内運動場への空調設備整備を進めてまいります。
デジタルアーカイブ事業については、地域に根ざした歴史・文化遺産や古写真等のデジタル化による保存を進めるとともに、地域や学校教育での活用、観光振興につなげるよう、定期的な情報発信と合わせて、より使いやすいホームページとするための改修を行います。尚巴志王の三山統一から600年を迎える2029年に向け、尚巴志王の人物像を周知するため、市内の小学4年生を対象とした紙芝居を継続して実施してまいります。
国指定文化財の整備については、各史跡の整備計画に基づき、文化庁の補助事業を活用し、斎場御嶽排水施設の整備をはじめとした各史跡の整備や保全に取り組んでまいります。また、市が複数の施設で保管している収蔵品の管理については、昨年度より実施している収蔵庫建設工事の完成を予定しております。
農林水産業、商工業、観光業など地域産業の振興を図り、雇用を創出し、地域経済の活性化を推進してまいります。
農業の更なる振興に向け、冠水被害の解消などの農用地の保全対策については、緊急浚渫推進事業債を活用し、伊原地区、親慶原地区、山里地区及び志喜屋地区において沈砂池等の浚渫事業を実施するとともに、農業水路等長寿命化・防災減災事業により、愛地寅野原地区、垣花屋宜原地区及び當山地区における事業の実施に取り組んでまいります。また、農業生産基盤整備については、県営かんがい排水事業である吉富地区、中山・志堅原地区及び雄樋川2期地区の整備を推進するとともに、事業主体である県と地元との連携を図り、早期完了に向けて取り組んでまいります。
農地の確保および有効利用を図るため、沖縄県農地中間管理機構と連携し、出し手の掘り起こしと担い手への集積を進めることで、耕作放棄地の解消など農地の利活用に取り組んでまいります。
飼料費の低減及び農家の経済的負担軽減を図るため、畜舎から出る糞尿を堆肥として農地に還元し、「飼料用サトウキビ」を粗飼料として活用する循環型農業に取り組んでまいります。
漁村再生計画に基づき、地域の既存ストックの有効活用等を通じて、漁業生産基盤および漁村の生活環境施設の総合的な整備を推進してまいります。海野漁港背後用地につきましては、関係機関と連携し引き続き販売促進に努めてまいります。
通常版ふるさと納税をこれまで以上に拡充し、地産地消と域外販売の拡大、市内調達や観光消費の市内回帰により地域経済の循環を高めます。沖縄南城セレクションで精選された優良な推奨品については、引き続き、市商工会等と連携し、特産品フェアへの出展を行う等、販路拡大・開拓を支援してまいります。
南城市雇用創出サポートセンターにおいて、市内の求職者、求人企業への支援を労働局と協力連携を図りながら、高齢者・女性・障がい者の就労機会を拡大するため円滑な就労や、多様な働き方の普及を図ります。障がい者等の就労機会や生きがいづくりの創出、農業の担い手不足の解消に向けて、就労支援事業所と連携して農福連携の推進に取り組んでまいります。
地域の稼ぐ力を引き出すためにDMOを中心に、観光戦略の立案と実行を市民・事業者との共創にて取りくみ、一次産業はじめ他産業と観光を結びつけることで、地域のブランド価値を高め、観光による地域全体の活性化を図ります。
斎場御嶽周辺および市内国道沿いの樹木伐採を強化し、魅力的な観光地としての景観形成に努めてまいります。
高等学校が無い本市は、高校入学を期に市外へ転出する若年層の流出が課題となっております。これまでの取り組みを踏まえ、大学のキャンパスや専門学校、高等教育機関の誘致に向けた調査・研究及び誘致活動に取り組んでまいります。
都市基盤の整備と暮らしやすいまちづくりを推進し、持続可能で快適な生活環境を実現してまいります。
市道整備については、現在整備中の路線を最優先で完成させるとともに、市民の皆様が円滑に移動できる利便性の高い交通ネットワークの形成に取り組んでまいります。
本市の将来のまちづくりの根幹インフラである「南部東道路」は、平成23年度の事業着手から15年が経過いたしました。現在、暫定2車線の全線供用開始については、まったく見通せない状況であります。この膠着(こうちゃく)した状態を打破するため、国および県に対し、予算確保と組織体制の抜本的な強化を強く働きかけ、早期開通を最優先に促してまいります。併せて南城つきしろインターチェンジから東部地域への延伸についても、引き続き戦略的に取り組んでまいります。
市営住宅については、「公営住宅等長寿命化計画」に基づき、百名団地の改修工事を確実に完了させます。また、次の段階として、ワンヂン原団地の実施設計を早期に完了させ、安全で快適な住環境の確保に努めてまいります。
下水道事業は、公共用水域の水質保全、公衆衛生の向上など生活環境の向上に大きな役割を果たしており、引き続き未普及地区の解消を進めるとともに、老朽化した施設の機能更新に取り組んでまいります。また、事業の持続可能な運営を図るため、官民連携の導入に向けた検討や、汚水処理構想の策定を進め、地域の実情に即した最適な汚水処理区分の構築に努めてまいります。
令和7年度より着工しております玉城総合体育館改修工事については、身体の負担軽減となる床材の採用や新たに空調設備の整備など、利用者が安全かつ快適に利用できる施設の完成を目指してまいります。
地域特性に応じた本市にふさわしい魅力的な企業立地を推進するため、周辺の住環境保全に配慮しながら、低未利用地の他産業への転換も含めた柔軟な土地利用を推進し、戦略的な企業誘致を展開してまいります。
南城市つきしろインターチェンジ南土地区画整理事業については、事業最終年度を迎える予定となっております。引き続き、組合と連携を図りながら都市拠点の形成に向けて取り組んでまいります。また、区画整理地内北側の公有地においては、地元産の農畜水産物を活用した新たな拠点整備を進めてまいります。事業の実施に際しては、民間事業者の企画力や経営力、販売力などのノウハウを最大限に生かすため、公民連携事業として整備を進め、地元住民や観光客が集い、にぎわいの生まれる空間を創出してまいります。
市役所庁舎隣接地に、市民の学びと交流、健康づくりを支える利便性の高い「まちづくり交流拠点施設」を整備してまいります。この施設には、書店や図書館、学習機能、市民活動の場、多世代が集う交流スペースなどを備え、こどもから高齢者まで、誰もが気軽に立ち寄り、学び合い・支え合うことができる拠点とすることを目指します。
令和8年度からスタートする新たな地域公共交通計画では、「まちのみんなで公共交通を守り育てていく」の考え方を基に地域(住民・利用者・企業等)が主体的に関わる仕組みを一層強化するとともに、教育・福祉・観光など他分野との共創により、公共交通の利活用を広げてまいります。その実現に向けては、国の制度改正や沖縄県計画との連携を図りつつ、引き続き市役所を本市の公共交通の中心拠点とした幹線・支線ネットワークの充実を進めます。併せて、データを活用したダイヤやルートの改善に取り組むことで、利用しやすい公共交通の実現をめざしてまいります。また、人材・意識面の基盤づくりとして、児童生徒、保護者、高齢者等の市民向けのモビリティ・マネジメント教育を引き続き推進し、公共交通への理解と利用促進に取り組んでまいります。さらに、観光交通との連携も強化することで、市民及び観光客が移動しやすい環境整備を図り、地域全体で公共交通を支え合うまちづくりを進めてまいります。
令和5年6月から令和8年3月までの期間で実施しておりますNバス運賃支援事業につきましては、対象となる65歳以上及び障がい者手帳を有する市民の外出支援の一助となっております。令和8年4月からの3年間は、利用者にも運賃の一部をご負担いただく仕組みに見直した上で、引き続き支援を実施してまいります。
デジタル技術の進展を踏まえ、行政サービスの在り方を見直し、市民にとって「書かなくてよい」「来なくてよい」窓口の実現を推進してまいります。具体的には、LINE等を活用したオンライン申請を一層拡充するとともに、マイナンバーカードの機能を活用し、窓口での申請書類作成を不要とするデジタル化を進めることで、行政手続の簡素化に取り組みます。併せて、地方税統一QRコードを活用したスマートフォン決済等により納付手段の多様化を図り、市民の利便性向上を推進してまいります。また、本市が抱える多様な地域課題に対して、デジタル技術の有効性を検討し、様々な分野での活用の在り方を模索しながら、将来の課題解決につなげていけるよう、住みよいまちづくりを目指してまいります。
インターネット、広報誌、SNS等を幅広く活用し、市民や議員の皆様へ必要な行政情報を積極的に発信・共有しながら相互理解に繋げ、市民・議会・行政の信頼関係構築に努めてまいります。
以上、令和8年度の主要施策について申し述べてまいりました。子育て支援から教育、福祉、産業振興、都市基盤整備に至るまで、各分野の施策は密接に関連しております。これらを総合的に推進することで、市民一人ひとりが豊かさを実感でき、次世代に継承できる持続可能な地域社会を構築してまいります。
本市が誕生してから20年が経過しましたが、市の財政状況は今後も厳しい状況が続くことが予想されます。そのなかで行政改革大綱も5年毎に社会情勢に合わせた見直しを行ってまいりましたが、更なる行政改革が求められます。
令和7年度には、新たに第5次南城市行政改革大綱を策定し、これまでの取組みに加えて、社会の多様化やまちの成熟化に伴い発生する様々な課題に対して、限られた行財政資源をもって対応していくために必要な基本目標や視点を全ての職員で共有し、業務を遂行する重要性を示しました。
また、重点的取組方針として、「市役所のスマート化」、「仕事の改革」、「公民連携の推進」、「時代の変化に対応できる組織・人づくり」を掲げ、限りある行財政資源を最大限に活用し諸課題の解決を目指しつつ、改革へ挑み続ける組織体制を目指します。
令和8年度は、今後さらに厳しくなることが予想される行財政資源の状況を見据え、現状の行政サービスの維持や向上を図る施策を展開します。具体的には、業務過程の見直しを踏まえた改革やDXの推進、民間活力の活用及び働き方改革などを実施し、職員のコア業務に充てる時間を増やし、市民サービス向上へ繋げていきます。
職場環境については、職員が明確な目標設定をもとにやりがいをもって業務をすすめられるよう、適切な人事評価や人員配置、研修機会の充実に取り組むとともに、役職に関わらず活発な意見交換を行える場の構築や、アンケート等による意見収集などで環境改善に努めてまいります。また、南城市ハラスメント防止条例を遵守し、第三者委員会の答申に基づいたハラスメント防止策の積極的な推進、専門員の相談支援、ハラスメント被害者の救済等を遂行することで風通しの良い職場環境を構築してまいります。
これまでの取り組みを踏まえ、常に市民目線、経営的視点を持ちつつ、新たな行財政改革の可能性を見出しながら、引き続き堅実で持続可能な行財政運営を実現すべく邁進してまいります。
以上、申し上げました政策、施策を実行するため令和8年度当初予算は、
| 一般会計 | 33,807,413千円 |
|---|---|
| 特別会計 | 6,377,211千円 |
| 企業会計 | 3,724,932千円 |
| 総計 | 43,909,556千円 |
の規模となっております。
歳入では、個人所得や住宅建築等の増加により、市税は増加を見込んでいるものの、歳入総額における自主財源の割合は低く、地方交付税等に大きく依存した財政構造となっております。 歳出では、繰出金が減少しているものの、社会保障費や人件費等の義務的経費や普通建設事業費などの投資的経費が増加しております。
令和8年度の主な事業として、南城佐敷・玉城インターチェンジ周辺地区整備事業、小中学校GIGAタブレット端末整備事業、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金事業などを予算計上しております。
今後も社会保障費の増加が予想され、厳しい行財政運営が見込まれることから、事務事業の取捨選択に取り組み、市民が将来に明るい展望が持てるような施策の展開を図ることを基本に予算を編成いたしました。
私はこの度「未来への責任」という言葉のもと、次の世代を担うこども達のために、新たな南城市を創り上げていく決意でございます。
今年は南城市誕生から20周年という節目を迎えることから、これまでの歩みに感謝し、新たな未来に向けて市の発展をさらに加速させていく所存でございます。
これからの市政運営を行う上では「言行一致」の信念のもと、市民の皆様とともに市の進むべき方向を定め、今の暮らしをより良くするために各施策に取り組み、掲げた公約を実現してまいります。
以上が、市政運営に臨む基本姿勢と、所信の一端でございます。
市民の皆さま、議員の皆さまのご理解とご支援、ご協力を心からお願い申し上げ、令和8年度の施政方針といたします。
令和8年2月24日
南城市長 大城 憲幸
