最終更新日:2021年10月12日
沖縄の稲作発祥伝説が残る仲村渠区で結成された仲村渠稲作会が、同区で栽培した羽地赤穂「仲村渠の赤米」の販売を本格的に開始しました。
2017年に活動をはじめた稲作会では、区の稲作文化の復興・継承のために、豊作祈願の伝統行事「親田御願」で継承されてきた沖縄在来種・羽地赤穂の栽培に挑戦。「100%地元産のわらを使った仲村渠綱曳き」をスローガンに活動を続け、年間約90キロを収穫できるようになりました。これまで金武町から調達していたわらも一部自前でまかなえるようになり、伝統行事の綱曳きで使用しています。
区外にも稲作文化を発信するため、田植えから収穫、綱曳きまでを体験できる参加型のプログラムも展開していましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で近年はメンバーや区民のみで実施しています。
緊急事態宣言も解除され、観光客の数も増えはじめてきたこの日、南城市物産館での店頭販売を稲作会のメンバーが視察に訪れました。新里玲王奈会長は「販売までこぎつけてみんな喜んでいる。収益化して事業を継続していきたい」と声を弾ませます。
赤米の商品化には南城市観光協会が協力。米の選別とパッキングは、福祉作業所ワークセンターさちゆりが担います。米の選別作業をしている伊集盛光さんは「赤米は色がついているので、良い米と悪い米に選り分けるのが難しい」と話します。実際に赤米を炊いて食べたこともあり、「とても美味しい」と太鼓判を押します。
仲村渠で栽培された羽地赤穂は、イタリアに本部があるスローフード協会の「味の箱船」に登録されました。世界的なシェフの目に留まる可能性もあり、新里会長は「稲作発祥の地・仲村渠をうまくブランディングしていきたい」と期待を込めました。
仲村渠の赤米は南城市地域物産館で販売されるほか、物産館のネット通販サイト「なんじぃ商店」でも購入できます。