1. 令和6年度 南城市施政方針

令和6年度 南城市施政方針

  1. 令和6年度 南城市施政方針
令和6年度南城市施政方針

はじめに

 令和6年2月定例会の開会にあたり、市政運営にあたって私の所信の一端を申し述べ、市民の皆様並びに議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 はじめに、令和6年1月1日、石川県能登半島地方を震源とする地震により、家屋の倒壊、津波による被害、更には、大規模火災など、甚大な被害を及ぼしております。この度の地震により、多くの方々が亡くなられたことに対し、改めてご冥福をお祈り申し上げ、また、被災された全ての方々に、心よりお見舞い申し上げます。

 東日本大震災、熊本地震の際と同様に、今年1月に、石川県輪島市へ支援金、毛布などの生活物資の支援、また、今月には、南城市各種女性団体、ボランティア等が中心に作ったサーターアンダギー、有限会社与那原自動車整備センター様よりご提供いただいた軽車両3台を2月中旬に送っております。

 今後も、被災地の復旧、復興に対し支援が必要とされる場合は、迅速な対応に努めてまいります。

 本市においても、日頃から災害に強いまちづくりを目指し、市民の生命と財産を守るため、備えを怠らぬよう、市民の防災意識の醸成にも注力し、しっかり取り組んでまいります。

 私たちの生活を一変させた新型コロナウイルス感染症は、昨年、感染症法上の位置づけが5類感染症へ移行され、徐々に社会活動がコロナ禍以前のように戻りつつあり、尚巴志ハーフマラソン大会は、20回記念イベントも大盛況の中、終えることができたことは、大変喜ばしいことでありました。

 令和6年度は、第5回南城市まつりが予定されており、コロナ禍が明けて、規制のない南城市まつりとなります。コロナ禍前以上の盛り上がりとなるよう、市民と一緒になって取り組んでまいります。

 一方、市民生活や事業者等におかれましては、物価高騰の影響は続いており、地域経済を回復させるための支援事業をはじめ、市民の負担軽減を図るため、地方創生臨時交付金を活用し、低所得世帯への給付、配合飼料、農業用肥料購入経費にかかる価格高騰への支援、市内の店舗で利用できる商品券の配布など、さまざまな対策に取り組んでまいりました。しかし、依然として、市民生活や事業者は、厳しさから脱却できておりません。

 令和6年度は、デフレ完全脱却のため、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用して、幼小中学校給食費の値上げ分への補填、保育所等の給食費への補助、市内の店舗で利用できる商品券の配布を行ってまいります。引き続き、国の動向に注視し、きめ細やかな事業展開に努めてまいります。

 また、高齢者等の外出する機会を促すため、65歳以上及び障がい者手帳を有する市民に、昨年6月からNバス運賃の実質無償化を実施しております。地域公共交通は、地域活性化を支える基盤・資源であり、重要な役割であります。引き続き、利用促進を図り地域活性化につながるよう取り組んでまいります。

 南部東道路、南城つきしろインターチェンジ南側に、沖縄初出店となる「コストコ」の開業が夏頃に予定され、開業に伴う雇用の拡大や市民生活の利便性向上が見込まれるとともに、交流人口の増加によるにぎわいの創出、市内及び周辺地域への波及効果をもたらすものと期待しております。

 市の均衡あるまちづくりは、若者が定住しやすい生活環境の構築や利便性の向上が必要で、南部東道路の早期整備が必要不可欠となります。国、県、関係機関等と連携し、引き続き、早期全線開通に向け取り組んでまいります。

 地域とのつながりを大切にし、「人と自然が調和した田園文化都市」づくりを理念に、子どもたちや若者が希望に満ち、誰もが等しく安心と生きがいを持ち、いつまでも住み続けたいと思えるまちづくりの実現に力を注いでまいります。

1. 市政運営の基本姿勢

 市政運営の基本姿勢については、先ほど申し上げた基本理念のもと、「誇りと希望」、「安らぎと生きがい」、「賑わいと活力」に満ちた市民主役のまちづくりを実現するため、公約に掲げた9つの基本政策であります、

  1. コロナ対策を徹底し、市民が健康で活力あるまちづくり
  2. 人と自然と先端技術が調和した活力あるまちづくり
  3. 子どもが夢と希望を持ち、可能性を引き出せる教育環境のまちづくり
  4. 高齢者や障がい者の方が生きがいと安らぎの持てる福祉のまちづくり
  5. 先端産業集積によるデジタル田園都市のまちづくり
  6. 農業・漁業・畜産業・ものづくり産業等を支援し、若者に夢と希望が広がるまちづくり
  7. 歴史と伝統文化を継承し、世界に誇れる平和なまちづくり
  8. 災害に強い安全安心なまちづくり
  9. 広域連携による南部広域のまちづくり

 に加え、総合計画に掲げる5つの基本方針に基づき総合的なまちづくりを推進してまいります。

2. 令和6年度の主要施策について

 それでは、総合計画の基本方針に沿って、概要についてご説明いたします。

(1)ひとが育つ

 市民生活の質の向上と市の発展に貢献する人材の育成を目指し、変化し続ける社会を生き抜くことのできる環境づくりを進めてまいります。

 令和6年4月に健康増進課の「母子健康包括支援センター」と、こども相談課の「子ども家庭総合支援拠点」を統合した「こども家庭センター」を設置し、関係機関との連携強化を図り、子育て世帯への更なる支援体制を強化してまいります。

 令和5年度新設した「こども相談課」は、コーディネート機能を備えた相談窓口となっております。引き続き、医療的ケア児や特別な支援を必要とする児童及び保護者に対しては、保健、福祉、教育、関係機関が連携し切れ目ない支援を図ってまいります。

 また、大里こども園においては、看護師等を配置し、医療的ケア児や特別な支援を必要とする子どもへの支援体制の充実を図り、インクルーシブ保育・教育を行うことで、すべての子どもたちが、それぞれの状況に応じた支援を受け、周囲とのつながりを感じながら共に成長できるよう努めてまいります。

 幼児教育センターでは、幼小連携強化を図るため、幼小の職員が互いの保育教育を語り合うことを通し、連携・協働し、幼児教育での学びや育ちを小学校以降の学習へとつなぐ架け橋期カリキュラムに取り組んでまいります。

 また、引き続き幼児教育アドバイザーによる幼児教育施設への巡回訪問の実施、公開保育・公開授業を通した幼・小・中職員の学び合い、保育要領・指針等に基づいた研修を行うことでの理論と実践による保育を目指し、幼児教育の質を高めてまいります。

 各小中学校では、コミュニティ・スクールを通じ、地域と共にある学校を目指し、学校や地域が抱える課題を地域と連携・協働して、未来を担う子どもたちを支えるネットワークを形成し、地域の力を活かした学校運営に取り組んでまいります。

 知念地域の小中一貫教育の取組みにあたっては、令和6年度より小中合同でのコミュニティ・スクールを導入し、小中学校が連携し目指すべき子供像や学校像等を学校と地域が共有しながら、総合的な学習の時間などを中心に、学びの系統性・連続性を踏まえた教育活動を実現できるよう支援してまいります。

 また、一人ひとりの能力を最大限に伸長させる特別支援教育の充実に向け、各学校管理職をはじめ、すべての教職員の特別支援教育に関する専門性の向上を図る取り組みや学習環境の整備、学校の教育体制の充実に努めてまいります。

 不登校の未然防止や不登校児童生徒の社会的自立に向けた各種施策を展開するとともに、学校現場の支援体制強化を図ることを目的に、引き続き不登校児童生徒支援体制強化事業を実施してまいります。

 校務支援システムを活用し、教職員の対応時間の確保、不登校支援員、校内自立支援教室及びハート教室と連携し支援を強化してまいります。

 放課後の子どもの居場所については、児童館、放課後児童クラブ、放課後子ども教室、学校やムラヤー等を活用し、子ども達が安全・安心に過ごすための多様な居場所づくりに努めてまいります。

 児童生徒が生まれ育った環境に左右されることなく、安心して学校に通うことができるよう、各地区にスクールソーシャルワーカーを配置し、学校内外の関係機関との連携・調整を図り、児童生徒やその家庭が抱えるさまざまな課題の解決を図ってまいります。また、玉城地区をモデル地区として導入したスクリーニングを他地区にも拡大し、支援対象児童生徒の網羅的把握、早期発見・早期支援を行ってまいります。

 また、意欲ある学生が将来に希望を持つことができるよう、経済的理由で高等教育機関への進学を断念せざるを得ない学生を支援するため、給付型奨学金給付事業を充実させてまいります。

 外国語や異文化を体験学習する機会をとおして、語学力と心の豊かさを養うとともに、国際性豊かな人材を育成するため海外短期留学やESLキャンプを実施してまいります。

 小学校の教科書改訂に伴い、デジタル教科書の整備を進め、電子黒板等のICTを活用した「わかる授業」、「魅力ある授業」を促進し、個別最適な学びと協働的な学びの一体的充実を図ってまいります。

 子どもたちが安心して学ぶことができる教育環境を確保するため、引き続き、馬天小学校の校舎改築及び屋外環境整備、大里南小学校の生徒増加に伴う校舎の増築を進めてまいります。

 環境に配慮した学校づくりを進めるため、引き続き小中学校の照明のLED化、誰でも利用しやすいトイレへの改修、知念小学校及び百名小学校の空調設備を更新し、快適な教育環境の整備に努めてまいります。

(2)ひとが活きる

 新型コロナウイルス感染症の影響で、人とのつながりが希薄化し、地域コミュニティ力が低下しつつあるなか、地域活動の再開が困難な状況を打破し地域力を高めるため、昨年に引き続き、ムラヤー活性化事業支援臨時助成金を交付し、ムラヤー構想の実現を目指してまいります。

 その一方で、ムラヤー構想の実現に資するべく、若者世代の定住促進と自治会の担い手不足の解消を目指し、三世代同近居支援補助金の交付を通じ、世代間で助け合いながら子育てができる環境づくりや地域コミュニティの活性化、さらには家族の絆の強化に繋げてまいります。

 特に、一部過疎地域に指定された知念地域については、補助額を加算し若者世代の定住強化支援策を図るとともに、知念地域のコミュニティの担い手不足の解消に向け、知念地域移住定住支援事業についても推進してまいります。

 さらに、新婚世帯の住居費や引越しなど費用の一部を支援する「結婚新生活支援事業」も引き続き実施してまいります。

 これらの取り組みは、ムラヤー構想の実現や過疎地域の持続的発展に寄与するため、市民と行政等との「協働のまちづくり」と地域住民による「共助のまちづくり」の推進拠点として、なんじょう市民活動支援センターを通じ、地域や市民活動支援団体等とのネットワーク構築、相談業務並びに地域リーダーの育成に取り組んでまいります。

 また、市内には豊富な知識や経験をもつ高齢者がおり、シルバー人材センターでは、一人一人の能力や意欲を発揮できるよう、社会に参加し、生きがいづくりにとどまらず、市の発展に大きく貢献しております。新規会員の加入促進や効率的財政運営による安定的経営基盤の確立を目指し、更なる支援強化を図ってまいります。

 女性の社会参加と活躍は、地域の発展に不可欠な要素であり、第2次南城市男女共同参画行動計画改定版に基づき,関係機関との連携を図りながら,様々な分野において女性が活躍できる環境づくりに努めてまいります。そして、性別に関わりなく、だれもが個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現を目指してまいります。

(3)くらしの質が高まる

 市民の安心と安全を確保し、豊かに充実して生活できる、住み心地の良いまちづくりを推進するために、各種施策を展開してまいります。

 その一環として、地域住民の複雑化・複合化した支援ニーズに対応できるよう、包括的な相談支援、多様な参加支援、地域づくりに向けた支援を一体的に実施する重層的支援体制整備事業の実施に向け、仕組みづくりや体制整備に力を入れ取り組んでまいります。

 さらに、子ども医療費助成については、令和6年4月受診分より、入院費の助成対象年齢を18歳年度末までに拡充し、医療費負担軽減による子育て世代の支援に努めてまいります。

 高齢者の生きがいづくりは、ムラヤーで実施しているミニデイサービスの介護予防強化と併せて、住民運営の自主体操サークル等の通いの場を増やすなど、社会参加しやすい環境づくりに努め、高齢者が孤立せず健康で活動的に生活できるよう支援してまいります。

 また、市民の体力向上や、精神的なストレスの発散、生活習慣病の予防など、心身の両面にわたり健康の保持促進に資するスポーツ大会やスポーツ推進協議会主催のスポーツイベントを実施してまいります。

 さらに、健康寿命の延伸および医療費の適正化に向け、生活習慣病の重症化予防の取組についても強化してまいります。

 地域包括支援センターについては、市直営の基幹型センター、市内2か所の地域型センターが社会福祉協議会等の関係機関との連携強化を図り、高齢者の相談支援の充実、地域住民が互いに支え合う仕組みづくりに努めてまいります。

 さらに、経済的な問題で生活に困窮している方や、仕事や住まい、家計等さまざまな困りごとや不安を抱えている方の状況に応じた支援を行い、自立促進に向け生活のサポートに努めるとともに、受給者の自立に向け医療、介護、就労及び学習などのきめ細かい支援を実施してまいります。

 医療扶助については、現在、紙で発行している医療券について、マイナンバーカードを利用したオンライン資格確認を導入し、医療券の発行・送付等の事務を省略化し、受給者の利便性を高めてまいります。

 障がい者が住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、権利擁護の推進、合理的配慮の提供、相談支援体制の強化を関係機関と連携し取り組んでまいります。

 また、地域活動支援センター事業及び相談支援事業については、新たな委託事業所とこれまでの支援を引き続き行いながら福祉向上に取り組んでまいります。

 災害時に自力での避難が困難な高齢者や障がい者などの避難行動要支援者を把握するため、避難行動要支援者管理システムを活用し、迅速な支援が行えるよう、関係者と避難行動要支援者名簿の提供に関する協定の締結ならびに個別計画書の作成を推進してまいります。

 災害に強いまちづくりに向け、初動マニュアル、災害情報を可視化するなど、防災機能の強化を図るとともに自治会を基本とした災害時等のボランティア活動に対し支援してまいります。

 本市の西側を除く三方は海岸線に接し、東部地域では海岸沿いの平地に集落が形成されており、災害時に高台への避難ルートの確保が急務となっております。南部東道路の早期開通に向けた取り組みと併せ、南城つきしろインターチェンジから東部地域(低地部)への延伸について取り組んでまいります。

 佐敷中学校校舎は、築34年経過し今後大規模改修工事が必要となります。
 敷地が海岸に隣接していることから、高台移転についても、引き続き検討を進めてまいります。

 停電対策として、電線共同溝が完成した市道知念1号線は、電力・通信事業者にて、電線・電柱の撤去に向け民有地の引き込み工事を進めております。

 また、国道331号久手堅・津波古地内では、電線共同溝整備が進められており、事業主体の南部国道事務所と連携し取り組んでまいります。

 佐敷地域海岸については、河口閉塞、護岸整備などの課題解決に向け、関係機関と連携し取り組んでまいります。

 安心して暮らせる環境づくりのため、各自治会へ防犯灯の設置工事費の補助を行い、防犯対策に努めてまいります。

 悲惨な事故を減らすため、地域、各種団体や警察と連携し交通安全活動を行い、交通安全意識の向上に努めてまいります。

 また、消費トラブルの未然防止を図るため、消費生活相談、情報提供と啓発活動に取り組んでまいります。

 昨年、尚巴志ハーフマラソンは第20回記念大会を迎え、大会終了後、これまで支えていただいた市民や関係者への感謝と交流促進を目的に「尚巴志大交流祭」を開催いたしました。

 令和6年度は、県外や市内からの参加者増加に取り組み、更なる地域活性化に資するイベント運営を目指してまいります。

 また、今年11月に第5回南城市まつりを開催致します。市民と共に様々な魅力を活用したプログラムを創るとともに、市内外から訪れた皆様の交流を促進しながら、市内産業のPRや文化活動の活性化につながるよう展開してまいります。

 文化芸術振興拠点のシュガーホールでは、音楽専用ホールの特徴を活かし、市民に広く親しまれる文化事業を実施するとともに、市民による多面的な利活用を推進してまいります。

 また、二酸化炭素排出量の削減を図るため、施設の空調機器等を省エネ型の機器へ切り替えてまいります。

 国内・国際交流の推進については、三重県玉城町と旧玉城村の姉妹都市盟約がこれまでも引き継がれておりましたが、相互理解と友好を一層深め、地域の振興を図るため、今年2月にあらためて玉城町と南城市との姉妹都市盟約が結ばれました。

 令和6年度は、姉妹都市である宮崎県高千穂町と併せ各分野にわたる交流を推進して参ります。

 また、海外移住者の子弟を研修生として受け入れ、文化の習得及び市民との交流を通じ国際交流思想の高揚を図ってまいります。

 国指定文化財の整備については、各史跡の整備基本計画に基づき、文化庁補助事業を活用し、斎場御嶽並び城跡等整備や保全に取り組んでまいります。

 世界遺産「斎場御嶽」をはじめとする市内に数多く所在する歴史・文化の発信拠点整備に向け引き続き取り組んでまいります。また、市内の複数の公共施設に保管している貴重な収蔵品については、適切な管理のもと次世代に継承していくための新たな収蔵庫の整備に向け取り組んでまいります。

 デジタルアーカイブ事業については、地域に根差した歴史遺産や伝統芸能等のデジタル化による保存を進めるとともに、小中学校や自治会での活用や定期的な情報発信により観光誘客に繋げてまいります。

(4)地域が元気になる

 観光振興について、観光協会と連携しながら、本市の豊富な地域資源を活かし、ウェルネスをテーマとした新たな着地型体験プログラムの造成・周知の強化を図ることにより、市民や観光客がともに心と体が健康で豊かになるウエルネス・カルチャーリゾートの南城ブランド構築に努めてまいります。

 その一方で、南部地域や東海岸地域などの近隣市町村とも連携し、様々な体験プログラム開発や観光交通の利便性向上に向けた取り組みを市内関係団体と共に推進してまいります。

 さらに、多様な地域関係者との合意形成や各種データを踏まえたマーケティングやターゲット設定等の戦略立案、プロモーション活動等を実施する観光地域づくり法人設立に向け検討を進めてまいります。

 観光地としての魅力を高めるため、斎場御嶽周辺および市内県道や国道沿いの樹木伐採を強化し、景観形成に努めてまいります。

 また、沖縄南城セレクションで精選された優良な推奨品を、市商工会と連携し商工会特産品フェアへの出店など、販路拡大・開拓を支援してまいります。

 また、ふるさと納税を活用し、全国に対し市産商品のPRや支援に努めてまいります。

 企業版ふるさと納税については、企業の選択した寄附目的に沿いつつ、本市の地方創生の取り組みをより一層充実・強化させてまいります。

 また、令和6年度より新たに生活困窮者等への就労支援を行うことを目的に、就業する際に有利となる資格の取得に要する費用を補助し、就業の機会を拡大・創出することにより、失業率の改善および人手不足の解消に努めてまいります。

 さらに、市内の求職者、求人企業への支援については、南城市雇用創出サポートセンターの機能を強化し、労働局との協力連携体制を整え、求職者および求人事業所へのさらなる支援に努めてまいります。

 農業の振興については、令和5年度に引き続き「なんじょう市民農業大学」を開講し、本市の農業における課題解決を担える人材を育成します。また、農業従事者の作業効率化や負担軽減を図るため、農業のデジタル化を推進してまいります。

 農地については、荒廃農地再生・利用推進事業等を活用し、耕作放棄地の解消及び循環型農業の拡充にも取り組んでまいります。また、農地中間管理事業による農地流動化を促進し農地の集積集約を図ってまいります。

 農業の更なる振興に向け、冠水被害の解消など農用地の保全対策について、農業水路等長寿命化・防災減災事業(愛地寅野原地区、垣花屋宜原地区)の実施、緊急浚渫推進事業債を活用した雄樋川の防災機能強化、緊急自然災害防止対策事業債を活用した志喜屋地区の農地防災事業に取り組んでまいります。

 また、県営農業水路等長寿命化・防災減災事業(仲程地区)についても、事業主体の沖縄県と連携し取り組んでまいります。

 農業生産基盤整備については、県営かんがい排水事業の吉富地区、中山・志堅原地区や雄樋川2期地区の整備を引き続き事業主体の沖縄県と地元の連携を図り、早期供用開始に向け取り組んでまいります。

 畜産業の振興については、経営基盤の強化を図るため、継続して優良繁殖牛、優良乳用牛の母牛の導入及び保留牛の確保を推進してまいります。また、畜産農家の経営安定支援については、経産牛を活用した肥育事業のブランド確立に向け、取り組んでまいります。

 水産業の振興については、奥武漁港、久高漁港において、環境向上に資する施設整備や、水産物の安定供給を図るため、漁港の機能保全に取り組んでまいります。

 また、奥武島いまいゆ市場に飲食スペースを整備し、利用者の利便性向上を図るとともに、更なる誘客や地域の活性化を図ってまいります。

 海野漁港背後用地については、これまでの販売対象者だけでなく、対象者を地元の方や若者等へ広げ、販売促進に努めてまいります。

(5)まちが整う

 将来のまちづくりの根幹である南部東道路については、平成23年度の事業開始から12年が経過しておりますが、これまでの進捗状況から、現在目標とする令和8年度の全線供用(暫定2車線)開始は、全く見通せない状況にあります。

 早期開通に向け、国と県に対し予算確保及び組織体制の強化を要請してまいります。

 また、南部東道路を軸とした道路網整備を計画的に進め、利便性の高い交通ネットワ-クの形成に取り組んでまいります。

 めまぐるしく変化する昨今の交通環境へ対応するため、企画部へ交通政策課を設置し、「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」の改正等に対応するため、南城市地域公共交通計画の策定に取り組み、持続可能な公共交通の実現を目指してまいります。

 働き方改革関連法によって2024年4月1日以降、自動車運転業務の年間時間外労働時間の上限が960時間に制限される、いわゆる「2024年問題」や運転手不足等へ対応する必要があります。持続可能な運行を目指し、一部運行の見直しなどの対策を実施し、「Nバス」及び「おでかけなんじぃ」の運行を継続し、市民、観光客等の移動手段の確保に努めてまいります。

 Nバスについては、65歳以上及び、障がい者手帳を有する市民を対象に、通院や買い物等の外出する機会を促し、生きがいと安らぎの持てる環境の整備を図ることを目的に、昨年6月より実証運行を行っており、事業効果や実態把握に努めてまいります。

 南城市つきしろインターチェンジ南土地区画整理事業については、引き続き、組合と連携を図りながら都市拠点の形成に向けて取り組んでまいります。

 区画整理地内北側周辺では、地元の農畜水産物を活用した拠点整備を公民連携事業により進めてまいります。

 また、市役所横に、民間事業者の企画力や創意工夫などを活かし、市民の利便性の高い魅力的な複合施設整備を官民連携により進めてまいります。

 大里北小学校跡地利用については、市・嶺井区・民間事業者の三者で利用計画を策定し、事業着手に向け取り組んでまいります。

 体育施設等17施設については、指定管理を継続するとともに、民間事業者の企画力や創意工夫を活かした施設の適正管理、運営及びスポーツ教室を開催するなど市民の利便性向上に努めてまいります。

 市営住宅については、入居者が安心して生活できるよう、公営住宅等長寿命化計画に基づき築年数の古い百名団地の改修に取り組んでまいります。

 公共下水道は、公共用水域の水質保全、公衆衛生の向上など生活環境の向上に大きな役割を果たしており、引き続き、流域関連公共下水道区域の大里処理分区について、沖縄県と早期整備に向け協議を行い、汚水処理区分の再検討を進めてまいります。

 また、老朽化が進む汚水処理施設の機械設備等の更新を行うとともに、4つの集落排水処理施設を統合するための計画に着手し、効率的な施設運営に努めてまいります。

 持続可能な下水道サービスを目指し、下水道への接続を促進し、生活環境の向上並びに収益向上を図るとともに、下水道料金改定の検討を行ってまいります。

 令和5年度より築造工事に着手した糸数配水池については、令和7年度の竣工を目指し、本体工事に併せ、電気設備、機械設備の整備を進めてまいります。

 デジタル技術を活用した行政サービスの提供を目的に、市役所窓口のデジタル化を進め、情報システムの標準化・共通化を推進すると共に、LINE等を活用したオンライン申請の充実、マイナンバーカードの利活用、口座振替手続きの電子申請システム導入、行政事務の効率化を図り行政手続きの簡素化に取り組みます。

 また、地域社会のデジタル化の指針となる「南城市デジタル田園都市構想」を実現するために、観光、公共交通、産業、教育など、さまざまな分野における地域課題についてデジタル技術を活用した住みよいまちづくりを目指して取り組んでまいります。

 以上が、令和6年度の主要施策の説明となります。ここで申し述べた施策以外の事業についてもさまざまな制度や事業を活用し、「日本一元気で魅力あるまちづくり」の実現に向け全力で取り組んでまいります。

3. 令和6年度行財政改革について

 市の財政状況は、今後も厳しい状況が続くことが予想されます。

 社会情勢の変化や市民ニーズの多様化・高度化に伴い、行政サービスへの需要が増加する中、さらなる行財政改革が求められます。

 令和6年度は、各種施策の推進や複雑化・多様化する行政課題への対応をより効率的かつ機能的に進めるため、「健康福祉部」の再編や、「秘書防災課」、「公民連携室」、「交通政策課」の新設など、組織体制の見直しを行います。

 また、「第4次南城市行政改革大綱」を指針に、これまで多様な施策の推進に取り組んでまいりました。市民の利便性向上はもとより、業務の効率性と生産性の向上、新たな時代に対応した行政サービスの提供、さらには市が直面する重要な課題への対応など、将来を見据えた堅実で持続可能な行財政運営を目指し、取り組みを継続してまいります。

4. 令和6年度当初予算について

 以上、申し上げました政策、施策を実行するため令和6年度当初予算は、

一般会計 28,021,368 千円
特別会計 6,359,459 千円
企業会計 3,666,514 千円
総計 38,047,341 千円

の規模となっております。

 歳入では、個人所得や住宅建築の増加により市税は増加を見込んでいるものの、歳入総額における自主財源の割合は依然として低く、地方交付税等に大きく依存した財政構造となっております。

 歳出では、馬天小学校校舎改築工事の大部分等が終了したことにより、普通建設事業費は減少し、その一方で、社会保障費や人件費等の義務的経費が増加しております。

 令和6年度の主な新規事業として、百名小学校空調設備更新事業、知念小学校空調設備更新事業、垣花屋宜原地区農業水路等長寿命化・防災減災事業、小学校教科書指導書等整備事業などを予算計上しております。

 予算編成においては、今後、予想される社会保障費の増加により厳しい行財政運営が見込まれることから、必要な事業を厳選しつつ、事務事業の取捨選択に取り組み、市民が将来に明るい展望が持てるような施策の展開を図ることを基本に予算を編成いたしました。

むすびに

 人と人とが信頼の絆でつながり、コミュニティが形成されることで、市民一人一人が幸せを実感できるような環境を創り上げてまいります。

 私の決意は、笑顔輝く活力に溢れた「日本一元気で魅力ある南城市」の実現です。その実現に向けて、市民とともに創り上げてまいります。

 各施策の取り組みについては、市民や議員の皆さまからのご意見を拝聴しながら、丁寧な説明及び積極的な情報発信に努めてまいります。

 以上が、市政運営に臨む基本姿勢と、所信の一端でございます。

 市民の皆さま並びに議員の皆さまのご理解とご支援、ご協力をお願い申し上げ、令和6年度の施政方針といたします。

令和6年2月26日
南城市長 古謝 景春

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