1. 令和5年度 南城市施政方針

令和5年度 南城市施政方針

  1. 令和5年度 南城市施政方針
令和5年度南城市施政方針

はじめに

 令和5年3月議会定例会の開会にあたり、市政運営にあたっての私の所信の一端を申し述べ、市民の皆様並びに議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 私は、令和4年2月、多くの市民に支えられ、あらためて市政を担うこととなり、期待の大きさ、責任の重さを実感し、就任から1年、さまざまな課題の解決に向け全力で取り組んでまいりました。

 新型コロナウイルス感染症は、社会のシステムや人々の生活に大きな影響を及ぼしましたが、我が国においてもコロナに関する知見の蓄積が進み、ウィズコロナ、アフターコロナに向け取り組みが始まりました。

 社会・経済活動の維持を図り、ウィズコロナ、アフターコロナに向け、デジタル技術の活用は、私たちの暮らし、経済活動の維持に必要不可欠で、これまで以上にその重要性が増してきております。

 さらに、ロシアによるウクライナ侵攻によって引き起こされたエネルギー・食料品等の価格高騰により、市民生活や事業者等の経営環境は厳しさを増すばかりであります。

 私は、市民生活、事業者等の負担軽減を図るため、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、配合飼料購入経費にかかる価格高騰への支援、施設園芸農家等への資材高騰への支援、市内の店舗で利用できる商品券を市民へ配布するなど、さまざまな対策に取り組んでまいりました。

 引き続き、国の動向に注視し、きめ細やかな事業展開に努めてまいります。

 これまでの取組により、本市の人口は、着実に伸び、4万6千人に届く勢いでございます。

 しかしながら、知念地域においては、依然として人口減少と高齢化が著しいことから、令和4年4月に一部過疎地域の指定を受け、「過疎地域持続的発展市町村計画」を策定いたしました。

 今年度より、同計画に基づき、過疎地域の持続的な発展に向けた施策について、取り組んでまいります。

 市内の均衡ある発展は、若者が定住しやすい生活環境の改善にあり、南部東道路の早期整備による利便性の向上が必要不可欠であります。国、県、関係機関等と連携し、早期全線開通に向け取り組んでまいります。

 私は、このような厳しい時代だからこそ、地域とのつながりを大切にし、子どもたちや若者が希望に満ち、誰もが等しく安心と生きがいを持ち、いつまでも住み続けたいと思えるまちづくりを目指していくことが重要であると考えております。

 令和5年度は、第2次南城市総合計画後期基本計画の初年度となっており、市を取り巻く社会環境の変化、時代の潮流等を踏まえ策定しております。

 本計画に基づき、「人と自然が調和した田園文化都市」づくりを理念として、「日本一元気で魅力ある南城市」のまちづくり実現に向け全力で取り組んでまいります。

1. 市政運営の基本姿勢

 市政運営の基本姿勢については、先ほど申し上げた基本理念のもと、「誇りと希望」、「安らぎと生きがい」、「賑わいと活力」に満ちた市民主役のまちづくりを実現するため、公約に掲げた9つの基本政策であります、

  1. コロナ対策を徹底し、市民が健康で活力あるまちづくり
  2. 人と自然と先端技術が調和した活力あるまちづくり
  3. 子どもが夢と希望を持ち、可能性を引き出せる教育環境のまちづくり
  4. 高齢者や障がい者の方が生きがいと安らぎの持てる福祉のまちづくり
  5. 先端産業集積によるデジタル田園都市のまちづくり
  6. 農業・漁業・畜産業・ものづくり産業等を支援し、若者に夢と希望が広がるまちづくり
  7. 歴史と伝統文化を継承し、世界に誇れる平和なまちづくり
  8. 災害に強い安全安心なまちづくり
  9. 広域連携による南部広域のまちづくり

 に加え、総合計画に掲げる5つの基本方針に基づき総合的なまちづくりを推進してまいります。

2. 令和5年度の主要施策について

 総合計画の基本方針に沿って、概要についてご説明いたします。

(1)ひとが育つ

 子どもたちは無限の可能性を秘めています。南城市の未来を担う子ども達の成長のため、市民と一丸となって子ども達の可能性を広げるための環境づくりに取り組んでまいります。

 令和4年4月に公私連携玉城こども園及び知念こども園が開園し、令和5年4月には、公立大里こども園及び公私連携佐敷こども園が開園します。

 公立および公私連携認定こども園を中心に地域子育て支援拠点事業の充実を図り、保護者の孤立感、負担感の軽減に努め、子育て家庭への支援に取り組んでまいります。

 教育・保育環境の確保及び充実については、各種補助事業を活用し、保育士の働きやすい環境づくりに努め、保育士確保と待機児童解消に努めてまいります。

 また、一体的な幼児教育・保育を推進するため、幼児教育センターを核として、市内の教育・保育施設等に勤める保育士等に、研修や巡回訪問、公開保育等を通して、教育・保育の質の向上に取り組んでまいります。

 また、保幼こ小(保育所、幼稚園、認定こども園、小学校)連携の強化により、教育の連続性・一貫性を確保しながら子ども達に体系的な教育が行えるよう環境整備に取り組んでまいります。

 切れ目のない包括的支援の実現に向け、コーディネート機能を備えた相談窓口として、「こども相談課」を新設し、相談業務の充実を図るとともに、必要な支援へつなげてまいります。

 また、新たに看護師や心理士を配置し、医療的ケア児や特別な支援を必要とする乳幼児への適切な教育・保育を実施してまいります。

 小中学校の授業においては、タブレットと電子黒板を活用したよりわかりやすい授業で、児童生徒の学習意欲・理解の向上を図るため、昨年度に引き続きモニター型電子黒板を導入してまいります。

 各小学校においては、コミュニティ・スクールを導入し、支え合いの希薄化、人口減少、教職員の負担増などの学校や地域が抱える課題を、地域と連携・協働して市全体で未来を担う子どもたちを支えるネットワークを形成し、地域の力を活かした学校運営に取り組んでまいりました。

 令和5年度からは各中学校へコミュニティ・スクールを導入し、地域の未来を担う人材育成のため、当事者意識をもって子供の健やかな成長を支えていく地域・社会総がかりによる地域とともにある学校づくりの実現に向け取り組んでまいります。

 知念地域においては、過疎化や少子高齢化など社会の変化による地域課題や学校課題に取り組むため、予てより小中一貫教育の導入を検討してまいりました。

 令和5年度より、小中連携の強化や地域と学校が協働し、地域の将来を担う子供の育成を図るためのモデルづくりに取り組んでまいります。

 児童生徒が生まれ育った環境に左右されることなく、安心して学校に通うことができるよう、各地区にスクールソーシャルワーカーを配置するとともに、学校内外の関係機関と連携・調整を図りながら、児童生徒が抱えるさまざまな問題解決に取り組んでまいります。

 また、市内小中学校においてスクリーニングを導入し、支援対象児童・生徒の実態把握に努め、早期対応を行ってまいります。

 市の発展に貢献する人材を輩出することを目的に、意欲ある学生が経済的理由により、高等教育機関への進学を断念することなく、将来へ希望が持てるよう、新たに給付型奨学金及び市育英事業に貸費型入学準備金を創設し、学習する環境を支援してまいります。

 不登校児童生徒の社会的自立や不登校未然防止のため、各種施策を展開し、学校現場の支援体制強化を図ることを目的に、不登校児童生徒支援体制強化事業を昨年度に引き続き実施してまいります。

 更に、校務支援システムの機能強化、不登校支援員、校内自立支援教室の追加設置、ハート教室の機能強化を行ってまいります。

 放課後の子どもの居場所については、放課後児童クラブ等に加え、学校やムラヤー等を活用し多様な居場所づくりに努めてまいります。

 コロナ禍で中断していた、中高生を対象とした外国語や異文化を体験学習する機会を再開し、語学力と心の豊かさを養うとともに、国際性豊かな人材を育成するための海外短期留学やESLキャンプを実施してまいります。

 馬天小学校の整備については、令和4年度に引き続き、新校舎やスタンドの整備を進めてまいります。

 また、環境に配慮した学校づくりのため、引き続き、市内小中学校照明のLED化、知念中学校の屋外環境整備、玉城中学校の昇降機設置、市内小中学校トイレを誰もが利用しやいよう改修し、快適な教育環境の整備に努めてまいります。

(2)ひとが活きる

 近年、価値観の多様化と少子高齢化の進行などにより人とのつながりが希薄化し、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、南城市の魅力のひとつでもある地域コミュニティ力が低下しつつあります。

 地域活動を再開することが困難な地域も生じてきておりますが、地域住民の融和と伝統文化の継承は、本市が進める共助のまちづくりの基盤であり、地域力を高めるため、ムラヤ―活性化事業支援臨時助成金を交付し、ムラヤ―構想の実現を目指してまいります。

 地域コミュニティの活性化や若い世代の定住促進を図るため、新婚世帯の住居費や引越しなど費用の一部を経済的支援する「結婚新生活支援事業」を引き続き実施してまいります。

 若者世代の定住促進、自治会の担い手不足を解消するため、三世代同近居支援補助金を見直し、子育てしやすい環境づくり、高齢者の孤立防止・人口減少対策に努めてまいります。

 また、一部過疎地域に指定された知念地域については、若者世代の移住定住強化支援として、補助額を加算し交付いたします。

 なんじょう市民活動支援センターを拠点に、共助のまちづくりを推進するため、地域や市民活動団体等とのネットワークの構築、相談業務並びに地域リーダーの育成等に取り組んでまいります。

 また、シルバー人材センターについては、高齢者の生きがいづくりにとどまらず、市の発展に大きく貢献しており、更なる支援強化に向けて、改善点や課題点等を整理したうえで支援策を検討してまいります。

 さまざまな分野において、女性が活躍できる環境づくりや男女共同参画実現のため、第2次南城市男女共同参画行動計画改定版に基づき、関係機関との連携を図りながら意識啓発などに取り組んでまいります。

 互いに人権を尊重しつつ、責任を分かち合い、性別に関わりなく、個性と能力を十分に発揮することができる、誰もが活躍できる社会の実現を目指してまいります。

(3)くらしの質が高まる

 全ての妊婦、子育て世帯が安心して出産・子育てできるよう、妊娠期から出産・子育てまで一貫して身近で相談に応じ、さまざまなニーズに即した必要な支援につなぐ伴走型相談支援の充実を図ってまいります。

 また、妊娠の届出や出生の届出を行った妊婦・子育て世帯等に対し、経済的負担軽減を図る出産・子育て応援給付金事業を一体的に実施してまいります。

 子ども医療費助成について、令和6年度より対象年齢を引き上げて、18歳年度末までの医療費負担支援に向け取り組んでまいります。

 高齢者の生きがい対策については、ムラヤ―で実施しているミニデイサービスの活性化を図り、高齢者が孤立せず健康で活動的に生活できるよう支援してまいります。併せて活動を支える地域ボランティアの育成にも努めてまいります。

 地域包括支援センターについては、市内2か所に設置した地域型センターと市直営の基幹型センターの連携を密にし、機能強化を図ってまいります。

 また、高齢者が住み慣れた地域で安心して自分らしい生活が送れるよう地域包括ケアシステムの構築に取り組んでまいります。

 障がい者が住み慣れた地域で暮らし続けられるよう関係機関と連携し、相談支援体制及び権利擁護の強化を図り、地域生活拠点の充実に努めてまいります。

 経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することができなくなる恐れのある方に対し、引き続き個々の状況に応じた、自立相談支援、住居確保給付金、一時生活支援を行い、自立促進に向け生活のサポートに努めてまいります。

 生活保護については、引き続き受給者の自立に向けて医療、介護、就労及び学習などのきめ細かい支援を実施してまいります。

 地域住民が抱える課題は複雑化・複合化しており、一人ひとりの支援ニーズに対応できるよう、「相談支援」、「参加支援」、「地域づくりに向けた支援」を一体的に実施する体制等の仕組みづくりに取り組んでまいります。

 国民健康保険事業特別会計については、毎年赤字が発生し、非常に厳しい財政運営を強いられており、これを補填するために一般会計からの法定外繰入を実施しております。健全な財政運営を図り、国民健康保険事業を持続的に運営するため、国民健康保険税率の改正を検討してまいります。あわせて、医療費の伸びの抑制、適正化のため、生活習慣病の重症化予防に向けた取り組みについても強化してまいります。

 安心して暮らせる環境づくりのため、各自治会へ防犯灯の設置工事費の補助を行い、防犯対策に努めてまいります。

 悲惨な事故を減らすため、地域、各種団体や警察と連携して交通安全活動を行い、交通安全意識の向上に努めてまいります。

 また、消費トラブルの未然防止を図るため、消費生活相談、情報提供と啓発活動に取り組んでまいります。

 令和4年度は、尚巴志王生誕650周年の記念大会と位置づけ、新型コロナウイルス感染症の影響により延期していた第19回尚巴志ハーフマラソン大会を3年ぶりに再開しました。

 今年は、第20回大会と記念イベントを実施し、更なる地域振興を目指して取り組んでまいります。

 その他に、市民の体力向上や、精神的なストレスの発散、生活習慣病の予防など、心身の両面にわたる、健康の保持促進に資するためのスポーツ大会の開催等スポーツに親しむ機会づくりを創出してまいります。

 国際交流については、海外移住者の子弟を研修生として受け入れ、国際交流思想の高揚に繋げるとともに沖縄が誇る人的財産である海外のウチナーンチュとの絆を深め、ウチナーネットワークの継承を図ってまいります。

 歴史民俗資料館の整備については、現在、策定中の歴史文化発信拠点基本構想に基づき基本計画を策定してまいります。

 国指定文化財の整備については、各史跡の整備基本計画に基づき、文化庁補助事業を活用して、城壁等整備や保全に取り組んでまいります。

 また、地域に根差した歴史遺産や伝統芸能等のデジタル化による保存を進めるとともに、小中学校や自治会での地域学習や定期的な情報発信による観光誘客に繋げてまいります。

 本市の文化芸術振興拠点であるシュガーホールでは、音楽専用ホールの特徴を活かし、市民に広く親しまれる文化事業を開催するとともに、貸館としての利活用を推進してまいります。

 また、二酸化炭素排出量の削減を図るため、施設の照明機器を省エネ型の機器への切り替えを進め施設の機能強化に努めてまいります。

 災害時に自力で避難することが困難な高齢者や障がい者などの避難行動要支援者に対し、迅速な支援が行えるよう避難支援等関係者との連携のもと避難行動要支援者名簿の提供に関する協定の締結及び個別避難計画を作成し、避難行動要支援者の支援体制の構築に取り組んでまいります。

 気候変動等により甚大化する大雨被害や大地震・津波等による大規模災害等に備え、島尻消防をはじめ、国や県、県内外の市町村、防災関係機関等と連携した実践的な防災訓練等を実施してまいります。また、公共駐車場を拠点とした、広域防災拠点の活用策について検討してまいります。

 三方を海に囲まれ海抜の低い地域に多くの市民が暮らしており、災害時における高台への避難ルートの確保も急務となっております。

 南部東道路の早期開通に向けた取り組みと併せて、南城つきしろインターチェンジから東部地域(低地部)への延伸について取り組んでまいります。

 佐敷中学校については、築33年が経過しており、今後、大規模改修工事が予定されております。敷地が海に隣接しており海抜が低いため、津波、高潮対策として高台移転の検討を進めてまいります。

 停電対策として、令和2年度に市道知念1号線の電線共同溝が完成しており、現在、電力・通信事業者にて、架空線の電線・電柱の撤去に向け民有地の引き込み工事を進めております。

 また、国道331号久手堅・津波古地内では、電線共同溝整備道路の指定を受けており、事業主体の南部国道事務所と連携し整備に取り組んでまいります。

 令和4年度に佐敷海岸海辺まちづくり構想を策定し、佐敷地域海岸における課題解決に向け、引き続き関係機関と連携し解決に向けて取り組んでまいります。

(4)地域が元気になる

 新型コロナウイル感染症の影響で落ち込んだ観光需要喚起につなげる取組として、世界水準のウェルネス・カルチャーリゾートの実現を目指し、体験プログラムを開発するなど、地域資源と観光を融合させた体験滞在型「感幸(観光)」の推進に努めてまいります。

 また、本市が舞台となったアニメ「白い砂のアクアトープ」を観光資源としたアニメツーリズムについても推進してまいります。

 南部地域や東海岸地域などの近隣市町村と連携し、観光客の利便性向上に向け、Nバスなどの公共交通を活用した広域観光に取り組んでまいります。

 プロサッカーキャンプ誘致に向けて、南城市陸上競技場における天然芝生の適正管理を行い、キャンプ受入に適した環境整備を行ってまいります。

 公共駐車場を活用した市内事業者や各種団体のイベントの開催を支援するなど、市内事業者や各種団体、商工会等と連携し、地域経済の活性化に繋がる取組を検討してまいります。

 南城ブランド確立のため、引き続き、市内事業者や商工会並びに観光協会と連携を図り、新たな商品開発を模索し、南城セレクション認定制度やふるさと納税制度を活用した市産商品のPRや支援に努めてまいります。

 農業の安定経営支援については、農産物の安定生産及び安定供給に向けて令和4年度に引き続き耐候性ハウスを整備してまいります。

 また、南城市産モズクが拠点産地に認定されたことにより、広報誌やホームページ等を活用し、消費拡大に向けた取り組みを行ってまいります。

 畜産業の振興については、品質の良い子牛の安定生産と生産乳量の増加を図るため、継続して優良繁殖牛、優良乳用牛の母牛の導入及び保留牛の確保を推進してまいります。

 また、畜産物の安定生産に向けた支援を行うため、飼料用さとうきびの圃場を確保し、循環型農業の拡充に取り組んでまいります。

 水産業の振興については、漁業の健全な発展及び水産物の安定供給を図るため、奥武漁港、志喜屋漁港、久高漁港等の機能保全と施設整備の充実に取り組んでまいります。

 農地の中間管理事業については、沖縄県農地中間管理機構と連携し、出し手の掘り起しと担い手への集積を行います。また、各種補助事業等を活用し、耕作放棄地の解消に取り組んでまいります。

 将来的に持続可能で本格的な農業を目指し、本市の農業における課題解決を担える人材を育成するため令和4年度に引き続き「なんじょう市民農業大学」を開講いたします。

 農業の更なる振興に向け、冠水被害の解消などの農用地の保全対策として、農業水路等長寿命化・防災減災事業(佐敷与那嶺原地区、愛地寅野原地区)の実施、緊急浚渫推進事業債を活用し、雄樋川の防災機能強化に取り組んでまいります。又、ため池等整備事業にて知念安間原地区における農地保全対策に取り組んでまいります。

 農業生産基盤整備については、県営かんがい排水事業の吉富地区、中山・志堅原地区や一部供用開始した雄樋川2期地区の整備を引き続き事業主体の沖縄県と地元との連携を図り、早期供用開始に向けて取り組んでまいります。

(5)まちが整う

 20年後の未来を見据え、南部東道路の供用開始や土地区画整理事業等、市の情勢の変化に対応するため昨年度に引き続き、都市計画マスタープランの見直しに取り組んでまいります。

 本市の将来のまちづくりの根幹である南部東道路については、令和3年3月に一部区間が暫定2車線で供用開始されたものの、未だ全体計画の27%(2km/7.4km)に留まっております。

 現在の進捗状況では、沖縄県が目標とする令和8年度の全線供用開始は見通せない状況にあります。早期開通に向けて、国と県に対し整備促進について要請してまいります。

 また、南部東道路を軸とした道路網整備を計画的に進め、利便性の高い交通ネットワ-クの形成に取り組んでまいります。

 令和4年5月より南城市つきしろインターチェンジ南土地区画整理組合による土地区画整理事業が工事着手しております。大型商業施設の誘致など、引き続き、組合と連携を図りながら都市拠点の形成に向け取り組んでまいります。

 市役所周辺の先導的都市拠点は、立地を生かし賑わいのあるエリアとしていくため、公共だけでなく、PPP/PFIなどの公民連携等の活用を視野に入れ、魅力的な都市づくりに向け取り組んでまいります。

 斎場御嶽周辺については、多くの観光客が訪れており、市内国道沿いの樹木伐採を強化し、魅力的な観光地としての景観形成に取り組んでまいります。

 令和5年4月よりNバスの一部ルートやダイヤの見直しを行い、利便性の向上や市外線バスとの接続の充実を図ってまいります。

 「Nバス」及び「おでかけなんじぃ」の運行を継続し、市民、観光客の移動手段を確保してまいります。

 また、65歳以上及び障がい者の市民に対するNバス乗車運賃の無償化を実施いたします。

 本市には、多くの公共施設が更新時期を迎えており、大きな費用負担が想定されております。財源の確保や民間活力等、さまざまな手法を検討し、公共施設や機能の最適化を図ることは、喫緊の課題となっております。

 特に老朽化の進む施設については、地域に残すべき機能、統合すべき機能を整理し、施設再編を進めてまいります。

 大里北小学校跡地利用については、跡地の活用を通して地域が元気になれるよう、事業を推進してまいります。

 民間事業者の持つノウハウを活用するとともに、指定管理者の適正な運営等を管理し、施設の利用促進やさまざまなスポーツ教室を実施するなど社会体育施設等14施設については、指定管理を継続してまいります。

 流域関連公共下水道区域の大里処理分区について、流域下水道幹線として県に対し整備を要請し、大里地区公共下水道の早期整備に向け取り組んでまいります。

 また、集落排水汚水処理場の機械設備等の更新を行い、維持管理費の軽減に努め、下水道未接続世帯への接続を促進し健全な運営体制を目指してまいります。

 上水道については、今後も市民への良質な水の安定供給を図るため、水道施設の適切な維持管理を行います。また、老朽化が著しい糸数配水池の工事を令和6年度の竣工を目指し、基盤強化に努めてまいります。

 また、国が推進している自治体DXを迅速に対応するため、「南城市DX推進計画」を策定し、令和5年度より本格的にデジタル技術を活用した事業を展開してまいります。

 自治体DXについては、LINEを活用したオンライン申請の充実、マイナンバーカードの利活用と普及促進に取り組み、行政事務の効率化を図ってまいります。

 デジタル田園都市構想については、地域におけるさまざまな課題についてデジタル技術を活用し、市民の利便性の向上、過疎対策、若者の定住促進、観光振興、各産業の活性化など、地域の魅力向上や都市部との格差解消に向けて取り組んでまいります。

 以上が、令和5年度の主要施策の説明となります。ここで申し述べた施策以外の事業についてもさまざまな制度や事業を活用して、「日本一元気で魅力あるまちづくり」の実現に向け全力で取り組んでまいります。

3. 令和5年度行財政改革について

 市の財政状況については、依然として厳しい状況が続くことが予想されます。

 今後も社会情勢の変化や多様化・高度化する市民ニーズによる行政需要の増加が見込まれ、さらなる行財政改革が求められます。

 行政改革の指針となる「第4次南城市行政改革大綱」に基づき、情報技術の積極的な活用などさまざまな施策を実施し、歳入の確保と行政運営の効率化を図り、将来を見据えた堅実で持続可能な行財政運営に向け取り組んでまいります。

 市民の利便性の向上に加え、電子決裁の導入をはじめとする内部事務の省力化を図り、業務の効率性・生産性を高め、これからの時代にふさわしい行政サービスのあり方、また、市が直面する重要課題や今後の施策への取り組みを加速化させるため、時代に即した柔軟に対応できる総合的かつ横断的な組織体制の構築を検討してまいります。

4. 令和5年度当初予算について

 以上、申し上げました政策、施策を実行するため令和5年度当初予算は、

一般会計 27,132,597 千円
特別会計 6,315,951 千円
企業会計 4,657,601 千円
総計 38,106,149 千円

の規模となっております。

 歳入では、個人所得や住宅建築の増加により市税は増加を見込んでいるものの、歳入総額における自主財源の割合は依然として低く、地方交付税等に大きく依存した財政構造となっております。

 歳出では、社会保障費等の義務的経費の増加のほか、馬天小学校校舎改築や道路橋梁の整備などで普通建設費も増加しております。

 令和5年度の主な新規事業として、電子黒板等学校ICT機器機能強化及び整備事業、公立大里こども園の開園、玉城中学校エレベーター設置事業、大里南小学校校舎増築事業、老朽化した公共施設の解体などを予算計上しております。

 予算編成においては、今後、予想される普通建設事業費の増加により厳しい行財政運営が見込まれることから、必要な事業を厳選しつつ、事務事業の取捨選択に取り組み市民が将来に明るい展望が持てるような施策の展開を図ることを基本に予算を編成しました。

むすびに

 冒頭でも申し上げましたとおり、私は、人と人との繋がりを大切にし、すべての市民の幸せと繁栄を願い、常に感謝の気持ちで、公平・公正な立場から市民を支えていく決意であります。

 令和5年度は、第2次総合計画の後期基本計画の初年度となります。

 市政運営の9つの基本政策を柱とし、南城市総合計画に掲げる5つの基本方針に基づき、総合的なまちづくりを推進してまいります。

 各施策の取り組みについては、市民や議員の皆さまからのご意見を拝聴するとともに、丁寧な説明及び積極的な情報発信に努めてまいります。

 

 以上、市政運営に臨む基本姿勢と、所信の一端を申し述べましたが、市民の皆さま並びに議員の皆さまのご理解とご支援、ご協力をお願い申し上げ、令和5年度の施政方針といたします。

令和5年3月2日
南城市長 古謝 景春

このページは企画課が担当しています。

〒901-1495 沖縄県南城市佐敷字新里1870番地
TEL:098-917-5395  

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