最終更新日:2023年11月21日
南城市介護の日イベント「泉とオバーのよんな~笑って介GO~」が、市役所1階の大会議で開かれました。介護に携わる方に笑顔を届けたいと、認知症を発症した母親を介護した経験を持つタレントの喜舎場泉さんが昨年11月からはじめたプロジェクトで、コントと専門家の講演で構成されています。介護をする側とされる側が笑顔でいられるように、介護をひとりで抱え込まないことを呼びかけながら、県内各地を巡っています。
1月に津波古公民館で開かれた講演に続き、南城市では2回目の開催となったイベントには、多くの来場者が訪れました。泉さんは「会場には介護をしていらっしゃる方もいる。私の体験を共有して、今日はいっぱい笑ってください」と会場に呼びかけ、タレントの山田力也さん扮するオバーとともにコントを披露。認知症になった泉さんのお母さんが何度も電話をかけてきたり、大量の靴下をいろいろなところに隠したりと、実際に起こった体験をもとにした軽妙な掛け合いに、会場は笑いに包まれました。
9年間、母親を介護してきた喜舎場さんは、介護疲れとストレスで「人を笑わせる仕事をしているのに、笑えなくなっていた」とひとり悩み、仕事に行く前の車内で泣くこともあったそうです。心身ともに限界に近づいていた時に、一緒に介護をしてくれていた姪から「このままだと心が壊れてしまうよ」との一言で、母親を施設に入れることを決意。自身で介護し続けたいという葛藤もありましたが、介護施設で24時間見守ってもらえる安心感と、心身の負担が減ったことで自然と笑顔も増えていきました。
いまでは、テレビや舞台で活躍する泉さんの姿をお母さんが『私の子どもよ〜』と施設の方に自慢するそうで、「私が活躍することが母の幸せになる」と、入所を前向きにとらえています。
コントを終えた泉さんは「介護をする側が笑顔でいれば、される側も笑顔でいられる」と来場者に語りかけ、会場に駆けつけていたお母さんをステージの前で紹介しました。泉さんとお母さんとの会話は、漫才のようにユーモアたっぷりで、泉さんは「認知症は隠すことではない。母はいまでも面白いことを話し、とっても元気です」と、会場を沸かせました。
コントの前後には、泉さんの母親の元主治医で精神科医の徳和子さんと、当時のケアマネージャーを担当し、現在は沖縄県認知症介護指導者で主任介護支援専門員の羽鳥訓秀が講演しました。徳さんは認知症の仕組みをわかりやすく解説し、羽鳥さんは介護で困った時に役立つ支援とケアマネージャーの役割などを紹介しました。
南城市では、介護や認知症などでお悩み方への総合相談窓口「南城市地域包括支援センター」を開設しています。お気軽にご相談ください。
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