1. 笑って介護をするために。泉とオバーが津波古公民館に登場(2023/01/27)

笑って介護をするために。泉とオバーが津波古公民館に登場(2023/01/27)

最終更新日:2023年02月14日

津波古公民館で介護を考える集い「泉とオバーのよんな〜笑って介GO〜」(主催:津波古自治会)が開催されました。自身も介護の経験を持つタレントの喜舎場泉さんが、少しでも介護に携わる方に笑顔を届けたいと、オバー(山田力也さん)とともに実体験をコントにして披露。また精神科医の徳和子さん、介護福祉士の羽鳥訓秀さんの講演も行われました。

  • 泉とオバーのよんな〜笑って介GO〜

    プロジェクトを企画した喜舎場泉さん

  • 泉とオバーのよんな〜笑って介GO〜

    オバー(山田力也さん)とともにコントを披露

本プロジェクトは2022年11月に那覇市で初公演。今回で3度目の公演となります。9年間、認知症の母親の介護に携わった泉さんは、プロジェクトの思いをこう語ります。

「今日は介護をされている人も多いと思います。1日1回でも笑っているでしょうか。私自身、お笑いの仕事をしているのに、どんどん笑えなくなってきました。今日はぜひ笑って帰って欲しいです」

コントでは、認知症になった泉さんがお母さんが、何度も電話をかけてきたり、大量の靴下をいろいろなところに隠したりと、実際に起こった体験をユーモアを交えて披露。会場は温かい笑いに包まれました。

  • 泉とオバーのよんな〜笑って介GO〜

    満席の会場に笑いがあふれます

  • 泉とオバーのよんな〜笑って介GO〜

    お母さんを介護施設に預けたときを思い出し、泉さんが涙

その一方で、泉さんが堪えきれず涙ぐむ場面も。

「介護と仕事で、だんだんと笑えなくなっている自分がいて。一緒に介護してくれていた姪から『このままだと心が壊れてしまうよ』と言われ、私が倒れてしまったら、母はどうなるのかと。母は去年入所しました。ぎりぎりまで母を見たかった私としては苦渋の決断でした。でも施設に入れることは悪いことではないと思いました。24時間見守られて安心だし、怒る人もいないから母も笑顔。施設の方から聞いたのですが、私がテレビに出てると『私の子どもよ〜』と自慢するのだそうです。それを聞いて、私が活躍することが母の幸せだなと思ったんです」

そして、笑って介護をするための考え方について、このように語りました。

「介護をする側が笑顔で接すれば、介護を受ける側も笑顔になれます。これはとても難しいことなんです。でもちょっと気持ちを切り替えれば、毎日の生活がコントのように思えるんです。それを母が教えてくれました」

  • 泉とオバーのよんな〜笑って介GO〜

    精神科医の徳和子さん(オリブ山病院)

  • 泉とオバーのよんな〜笑って介GO〜

    介護福祉士の羽鳥訓秀さん(おきなわ介護福祉研究所)

このほか、専門家の講演も行われました。オリブ山病院の精神科医である徳和子さんは「認知症は脳の病気である」という基本を説明。また、認知症の方への支援の心得を次のように解説しました。

「認知症の方は自分の中で何が起きているんだろうと思っています。今までできていたことができない、人の役に立てなくなっている、大事な家族に迷惑をかけたくない…と。ですから支援する側として大切なことは、その方を驚かせないこと、急がせないこと、自尊心を傷つけないこと。認知症は治る病気ではないけれど、怖い病気でもない。「安心して認知症になれる社会」づくりが大事じゃないかと思います」

一般社団法人おきなわ介護福祉研究所の羽鳥訓秀さんは、介護福祉士という立場から、笑顔で介護を続けるための考え方を次のように語りました。

「私から皆さんにお伝えしたいことは3つ。まずは認知症の方を責めない。責める側も責められる側も気持ちが暗くなってしまいます。そして結果を急がない。認知症を治そうという考えではなく、認知症と付き合っていくという考えです。最後に、特別な暮らしをしようとするのではなく、普通の暮らしを続けること。それを継続できるように介護サービスを活用してほしい」

 

参考リンク

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