1. 伝統行事を次世代へ。志喜屋区「ハマエーグトゥ」(2026/03/22)

伝統行事を次世代へ。志喜屋区「ハマエーグトゥ」(2026/03/22)

最終更新日:2026年03月24日

志喜屋漁港にて、志喜屋区に伝わる伝統行事「ハマエーグトゥ(浜御祝事)」が執り行われました。「ハマウガン(浜御願)」や「リューグー(竜宮)祭り」とも呼ばれる祈願行事は、旧暦の2月、強い北風が吹く「ニンガチ カジマーイ」の時期に合わせて行われます。

この行事では、竜宮の神へ今年の豊漁を感謝し、新たな年の航海安全祈願、豊漁祈願、旅にいる家族の無事を祈願、あわせてムラの繁栄を祈願します。行事は前日の「前御願(メーウガン)」から始まり、当日はシードーガーなど13箇所の拝所を巡ります。拝所で御願を済ませた後、志喜屋漁港に並べてられた三艘のサバニに設置された祭壇に供物を供え、竜宮の神が鎮まる海の彼方へ祈願する「浜ウガン」が行われました。

伝統の祈りを次世代へ。志喜屋区「ハマエーグトゥ」(2026/03/22)

志喜屋区「ハマエーグトゥ」
写真は中央のサバニの舟先に「御初」を供える志喜屋漁港での「浜ウガン」

特筆すべきは、「御初(ウハチ)」と呼ばれる牛の左前脚をシバ木(ヤブニッケイ)で覆った供物を舟先に供える全国的にも珍しい習わしです。かつては当日に牛をさばいて供えていましたが、時代の変化に伴い、現在は祭祀用として事前に保健所などで許可申請をし、食肉センターで処理した牛を用いる形へと工夫しながら伝統を継続しています。

志喜屋区の親川仁寛区長は「拝みを済ませると、不思議とそれまで荒れていた海も静まる」と、この行事に込められた神聖な力を語ります。かつては根人、神人、各ムート屋・御願カミーが御願者として祭祀に参加していましたが、現在は各ムート屋・御願カミーの代表と区の役員などが参加しています。ムート屋の代表として参加した親川仁史さんは、区を一度離れた後に戻ってきた経験から「47歳でもここでは若手。この自然や文化の素晴らしさを、もっと若い世代に伝えていきたい」と、伝統の継承に向けた熱い意気込みを語りました。

神事の後は牛汁などが振る舞われ、集まった地域住民や見学客の間で和やかに交流が行われました。時代とともに形を変えながらも、途絶えることがなかった「ハマエーグトゥ」は、志喜屋区の誇りとして次世代へ受け継がれています。