1. 伝統祭祀と地域の風景を次世代へ。受水走水で「親田御願」(2026/02/25)

伝統祭祀と地域の風景を次世代へ。受水走水で「親田御願」(2026/02/25)

最終更新日:2026年02月26日

沖縄稲作発祥の地とされる「受水走水(うきんじゅはいんじゅ)」にて、伝統祭祀「親田御願(うぇーだうがん)」が執り行われました。旧正月の初午の日に行われるこの行事は、その年のムラの発展と豊穣を祈願する地域の誇り高い伝統行事です。仲村渠自治会の役員や祭祀委員らが、受水・走水・親田の各拝所で御願を行い、続いて神田である親田にて、地域の3名の男性が丁寧に稲の苗を植え付けていきました。

伝統祭祀と地域の風景を次世代へ。受水走水で「親田御願」 (2026/02/25)

バサージン姿で親田に稲の苗を植え付ける

今年度は、沖縄県の「沖縄らしい風景づくりに係る人材育成事業」の助成金を活用し、田植え用の衣装が新たに制作されました。これは、かつて住民が着用していた「バサージン(芭蕉布の着物)」を再現したものです。沖縄の稲作文化の姿を今日に色濃く伝える貴重な祭祀として、地域で大切に継承されてきた「親田御願」で着用することで、その伝統文化の継承と景観形成の観点からも意義深い取り組みとなっています。

同区では、かつて盛んだった稲作文化の継承を目的に、地域の若者を中心に結成された「仲村渠稲作会」があり、伝統的な農法で「羽地赤穂」という在来種を栽培したり、地域内外に向けた稲作体験の場を提供したりするほか、親田御願や綱曳きなどの伝統行事を盛り上げたりするなど、活発に活動を展開しています。仲村渠区自治会の橋口直樹会長は、「山の懐で執り行われるこの祭祀には厳かな空気がある。地域の若い世代が中心となり、伝統をしっかり残していこうという意識があるのは非常に心強い」と、これからの活動に期待を込めました。

親田で田植えを行った仲村渠稲作会の大城宏会長は、「私たちが植える苗が沖縄の稲作開始の合図になる。非常に貴重な体験をさせてもらっている」と語ります。さらに将来の展望として、「現在はまだ他所から買い付けた藁も使いながら綱曳きを行っているが、いずれは仲村渠区の田んぼで収穫した稲藁だけを使い、地元の綱引きに用いたい」と、稲作を通じた地域文化への熱い想いを語りました。