最終更新日:2026年02月25日
「ノウル南城シンポジウム ―農ある暮らし―」が、南城市役所1階の保健センターにて開催されました。この事業は、3年後の供用開始を目指して南城市と株式会社ノウル南城が公民連携で進めている「農畜水産物利用促進拠点整備事業(通称:NOLL南城)」の最新プランを発表するものです。地元の農畜水産物の価値を「再編集」し、一次産業の振興と人材育成を図ることを目的としています。単なる施設整備に留まらず、民間事業者と連携することで地域の「稼ぐ力」を引き出し、南城らしいライフスタイルを創造する画期的なプロジェクトです。
岡崎正信氏がプロジェクトの概要を説明
ランドスケープデザインを発表する長谷川浩己氏
シンポジウムの前半では、プロジェクトの中核を担うエキスパートが登壇し、具体的な施設概要が明かされました。コストコに隣接する施設には、1階にファーマーズマーケット「南沖縄市場」、2階に一次産業従事者向けのワーカーズハウス、3階と4階に分譲7部屋を含む全16部屋のレジデンシャルホテルが配置されます。
施設イメージ(模型)
進行を務めた岡崎正信氏(株式会社ノウル南城 代表取締役)は、岩手県紫波町の「オガールプロジェクト」を成功させた実績を持ち、本プロジェクトでは「境目を作ると人は入らない。官と民の境目がわからないようにするのが理想」と、人が自然と入りたくなる場所づくりへの信念を語りました 。
建築設計のプランを発表する伊佐強氏
南沖縄市場のロゴデザインを語る山野英之氏と村上純司氏
景観デザインを担当するランドスケープアーキテクトの長谷川浩己氏(長谷川スタジオ 代表取締役)は、隣接するコストコとの高低差を活かした芝生広場の構想を披露しました。建物の中から広場が見える窓を設けるなど、建物と外の境界をつなげる工夫を施し、車で訪れる家族連れがゆったりと時間を過ごせるパブリックスペースをつくり上げます。建築家の伊佐強氏(株式会社建築工房亥 代表取締役)、グラフィックデザイナーの山野英之氏(TAKAIYAMA inc.)、村上純司氏(LIQUID代表)らも登壇し、沖縄や南城市の風土を建築やロゴデザインに落とし込む方法や考え方などを語りました。

後半のパネルディスカッション
後半のパネルディスカッションでは、南城市農業青年クラブの親川千尋氏ら地元農家の担い手や、本プロジェクトの柱となる「南沖縄市場」の主要メンバーなどが登壇しました。親川氏は「南城市には無農薬などこだわりを持った農家が多く、付加価値をつけた販売や、消費者の学びの場を期待したい」と述べました。
「こだわりの農産物を消費者へ」期待を語る親川千尋氏
「南部農業のハブ拠点に」と展望を語る大湾氏
南沖縄市場でマネージャーを務める予定の大湾絵梨子氏(湾ちゃん企画合同 代表)は、南部の農家が、コストと時間をかけて中部などの遠方のファーマーズマーケットへ野菜を卸している現状を説明して「南城市に南部にハブとなる場所があれば、南部の農家も野菜を卸しやすくなる」と期待を寄せました。南城市役所で本プロジェクトを担当する神谷莉央氏は「プロジェクトのスピード感に驚いている。コミュニティの場として多くの人を巻き込みたい」と語りました。
「地域を巻き込むコミュニティの場」の創出を語る神谷氏
「景観と調和した建築」への意欲を語る松田笑里氏
設計を担う松田笑里氏(株式会社建築工房亥 取締役)は、「市場・住居・宿泊という3つを同時に設計したことがなく、それぞれ工期も違い大変」と苦労を吐露しつつも、「経験値は上がる。ランドスケープから入り、建物全体と敷地全体を一体として考えていきたい」と、建築と景観が融合する設計への意欲を語りました。
最後に岡崎氏が「必ず面白い場所にする。期待に応えられるようがんばりたい」と決意を述べ、来場した生産者へ「自分たちの財産として一緒に育ててほしい」とプロジェクトへの参加を呼びかけて、シンポジウムを締めくくりました。
「ノウル南城シンポジウム」に多くの方々が来場
シンポジウムを傾聴した大城憲幸市長は「コストコの集客力の隣に、地元のこだわりが詰まった施設ができる。これを起爆剤にして、南城市の一次産業を元気にしたい」と期待を込めました 。南城市の新たなシンボルとなるノウル南城。市民とプロフェッショナルが共に創り上げるこのプロジェクトから、今後も目が離せません 。
