最終更新日:2025年01月13日
今年度、佐敷小学校(慶田盛元校長)では持続可能な社会のための交通環境学習「モビリティ・マネジメント教育」に取り組んでいます。その一環として、名桜大学の寺本潔特任教授を招いた「モビリティ・マネジメント授業」が、6年生を対象に行われました。
これまで、同校の6年生は総合学習の時間を利用して、市内を走る「Nバス」について学んできました。今回の授業では、1組と2組でそれぞれ違う形式でNバスを通じたモビリティ・マネジメントを学びました。
1組では「使ってよし・乗ってよしのNバスの魅力アップ」をテーマに、南城市外や県外の方にNバスを知ってもらうアイデアを出し合う授業が行われました。
近年、県内でバスを使って移動する観光客が増えていることを児童に伝えた寺本教授は、「観光客も利用することでNバスをもっと知ってもらえる」と、「熟年夫婦」、「ファミリー」、「ハネムーナー(新婚)」、「女子大学生」から2つを児童に選んでもらい、ターゲットを絞ってアイデアを募りました。
モビリティ・マネジメント授業の様子
グループでアイデアを出し合う
児童からは「無料Wi-Fiを設置する」、「写真に映えるように3人用の席を作る」、「お菓子を置く」など、子どもの視点から様々な意見が飛び出しました。
ひとつひとつのアイデアに耳を傾けた寺本教授は、「子どもがNバスの『推し』になれば、親も推しになる可能性がある。Nバス大好きな市民を増えれば、全国から注目される」と、Nバスを好きになり、その魅力を見つけて発信することの重要性を語りました。
最後に「利用者が増えればバスの本数やバス停も増やすこともできる」と呼びかけ、授業を締めくくりました。
2組では、南城市の公共交通についての講話や、Nバスを使って市内の観光地へ行った校外学習などの経験をもとに、Nバスの魅力を伝えるために絵本やカルタなどの作品を作っています。
低学年向けの絵本を作っているグループでは、「降車ボタンを間違って押した」や、「乗り過ごした」などの失敗談を敢えて加えることで、正しいバスの乗り方を伝える工夫をしています。寺本教授は「クスッと笑えるエピソードを入れてみては」と、アドバイスを送りました。
寺本教授のアドバイスを真剣に聞く児童
Nバス豆知識が載ったトランプ
そのほか、NバスのLINEスタンプの作成、アニメソングをNバスの良さを伝える替え歌にしたり、Nバスの豆知識が載っているトランプを作るなど、グループごとに創意工夫が見られました。
バスより自家用車派という山入端伶朗さんは、校外学習でNバスに初めて乗ったことで「車より景色が良く見えた。座席も座りやすかった」と、Nバスの心地よさに気づきました。
バス派の喜久川実知花さんは、これまでの学習を通して「車で行くよりバスで行く方が安いことや、二酸化炭素の排出も少なくなることがわかった」と、Nバスの新たな魅力を発見した様子でした。
※今年度のモビリティ・マネジメント授業は、交通エコロジー・モビリティ財団の補助を受けて実施しています。