最終更新日:2024年08月02日
南城市教育委員会は、市内の小中学校の教員を対象とした、戦争体験の証言資料などを用いて教材を開発するワークショップを市役所で開催しました。参加者は市教育委員会が刊行した「南城市の沖縄戦 資料編」と「南城市の沖縄戦 証言編-大里-」、旧町村史(佐敷町、知念村、玉城村、大里村)に掲載されている証言資料など活用し、グループワークを通して授業で使うことを想定したワークシートを作成しました。
同ワークショップは2022年に続き2回目。今回も琉球大学教育学部の山口剛史教授と、前述の「資料編」と「証言編」で当時は市教育委員会の専門員として証言の聞き取りを行った山城彰子さん(北中城村教育委員会)が講師を務めました。
第1部では、「資料編」に掲載されている「「平和の礎」戦没者名簿の空間分布図」を用いて、南城市における沖縄戦の概要を学びました。参加者は、4地域の出身者ごとに戦没者の戦没地が図示された沖縄本島の地図を見ながら、そこから読み取れることや疑問についてディスカッションしました。そして、参加者から発表された予想や疑問を受け、講師の山城さんが、南城市の沖縄戦について解説を行いました。
第2部では地域ごとに証言を読み、ワークシートを作成しました。山口教授は、子ども達が証言を自分ごととして捉えることで「想像してもわからないこと、理解できないところがでてくる。戦争とは何か考える疑問の追求が、探究的な学びにつながっていく」と解説。授業での子ども達への設問を想定して「証言のどの場面を使えば、南城市や沖縄戦の特徴を捉えられることができるかを意識してほしい」と、アドバイスしました。
最後は、各グループで作成したワークシートを発表しました。大里地域の戦争証言をもとに小学生向けのワークシートを作成した大里南小学校の宮城伶奈教諭は「県全体の沖縄戦の話は知っていたが、地域ごとの証言は発見になった」と振り返り、子ども達に教える立場として「多くの証言を聞きたいが時間には限りがある。こういった研修の形で学べることはありがたい」と話しました。
※ワークショップの様子や動画は、「なんじょうデジタルアーカイブ」のレポートで公開しています。