1. 令和5年度 文化講演会「南城市と組踊」(2023/12/03)

令和5年度 文化講演会「南城市と組踊」(2023/12/03)

最終更新日:2023年12月31日

国の重要無形文化財でもあり、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている、沖縄が誇る芸能「組踊(くみおどり)」。今年度の南城市文化講演会は、組踊研究の第一線で活躍されている鈴木耕太氏(沖縄県立芸術大学 芸術文化研究所准教授)を講師に迎え、「南城市と組踊 -地方における組踊の視点から-」と題してご講演いただきました。

  • 令和5年度 文化講演会「南城市と組踊」
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鈴木氏はユーモアを交えた語り口で、組踊の初演から現在に至る経過、創作者である玉城朝薫の来歴、地方への伝播などを分かりやすく解説。

組踊の地方伝播については、「組踊本(台本)が存在し、現在も祭などで上演されている地域と、組踊本はあるが上演はされていない地域を区別して考える必要がある」と述べ、南城市については、「例えば知念地域の志喜屋、山里、知念、久手堅、安座真、知名などの地域で現在も上演されているが、玉城地域では組踊が存在しないとされることもある。しかし、大正5年の新聞記事によると前川で組踊が上演された記録がある」とし、今後の研究に期待を寄せました。

また、大城区に伝わる「大城大軍」については、「地域独自のストーリーに首里言葉が使用されており、現在の那覇市小禄の地名も登場する。大城とのつながりや、地方で組踊が創作される意義についても考察が必要」と指摘しました。

鈴木氏は最後に「組踊はウヤファーフジ(先祖)が残してくれた文化的な宝物。復活上演は大変な作業だが、我こそはという地域がお声がけくださればいつでも馳せ参じます」と力強く訴えました。

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