最終更新日:2022年10月18日
豊かな伝統文化が色濃く受け継がれている糸数区。これらの文化を継承しようと、かつてのカジマヤー祝いのビデオ上映のほか、様々な伝統芸能が披露されました。
会場の糸数農村公園は、風が吹き抜ける高台。夕暮れ時、心地よい空間に老若男女の区民が集いました。新型コロナの影響で、このような形で区民が集う行事は3年ぶり。神里留雄区長は、開催の経緯をこう語ります。
「糸数区は伝統芸能が多く、特に『掃除サーブー』は120年受け継がれていると言われています。行事の中止が続くと、これらを継承していくことが難しくなります。途絶えさせてはいけない。誇るべき伝統を次世代に継承していくことを目的に開催しました」
「アーカイブ上映会」という行事名ですが、上映を前に多彩な伝統芸能が披露されました。箒とヘラを手に若者が口上と踊りを披露する「掃除サーブー」では、区民から待ってましたとばかりの拍手喝采。また、ひときわ温かい拍手が送られたのは伝統の「獅子舞」です。中学生の吉元蒼(そら)さんが、父親の豪さんと獅子舞を初共演を果たしたのです。
練習をはじめたのはおよそ1ヶ月前。敬老会に向けて、蒼さん自ら申し出ての挑戦でした。「練習は楽しかった」と蒼さん。敬老会は新型コロナの感染拡大で中止となりましたが、今回、初お披露目の場となりました。頭と胴体、息の合った演舞で住民を魅了。豪さんは「息子とできてうれしい」と顔をほころばせました。
会場に月が浮かぶ頃、特設のスクリーンに上映されたのは平成7年に行われた當山ウシさんのカジマヤー祝いの様子。住民総出で催されたお祝いのビデオには、懐かしい面々も映し出され、住民たちの会話も弾みました。