1. 市内小中学校の教員が戦争体験証言を用いて教材開発(2022/08/22)

市内小中学校の教員が戦争体験証言を用いて教材開発(2022/08/22)

最終更新日:2022年08月25日

南城市教育委員会では、令和元年と2年度に刊行した『南城市の沖縄戦 資料編』、『南城市の沖縄戦 証言編-大里-』を使い、小学校や中学校の授業で活用できる平和学習の教材開発を目的としたワークショップを開きました。市内小・中学校の平和教育担当教員など12名が参加し、模擬授業やグループワークなどで、証言を用いた教材作りのポイントを学びました。

  • 市内小中学校の教員が戦争体験証言を用いて教材開発(2022/08/22)

    参加者の質問に答える山口教授(中央)

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    ワークショップ会場の様子

戦争体験者の高齢化などで、学校における平和学習の在り方が課題となっています。今回のワークショップでは、社会科教育、平和教育が専門の琉球大学の山口剛史教授が講師となり模擬授業を展開。「証言を読みこなして授業ができると、自分たちの地域の体験者に触れることができ、沖縄戦を学ぶことができる」と、証言を用いた教材開発の意義を語りました。

南城市教育委員会で2冊の刊行に携わり、実際に証言の聞き取りを行った山城彰子さんと山内優希さん(現在は北中城村教育委員会所属)もワークショップに加わり、当時の証言者の様子や印象に残ったエピソードを添えるなどして、参加者へアドバイスをおくりました。

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    証言をもとに教材化の議論を深める

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    発問などを発表

山口教授は、戦時中の考え方といまの考え方の違いにどれだけ気づくことができるかが「次の学習につながる。わからないことを顕在化することが大事」と、子ども達から生まれた疑問を膨らませる発問の設定についても言及しました。

模擬授業後、参加した教員は3グループに分かれ、それぞれ違う証言を使って担当する学年などを想定した教材を議論しました。

参加した佐敷小の永冨ゆめじ教諭は「子ども達が自分ごととして考えてもらえるよう、発問をしぼるのが難しい」と、単純な読み取り問題にならないような工夫について、グループで議論を深めました。今後、学校での平和学習で市の刊行物を活用するためにも「今回のワークショップのように、教材化する作業が必要になる」と語りました。