最終更新日:2020年09月30日
一般財団法人沖縄美ら島財団が実施している、県内各地のサバニの特徴や造船技術に関する調査の一環として、奥武島でサバニ建造記録調査が始まりました。
県内で漁業用サバニの伝統的な建造技術を継承している2 名のうち、奥武島の嶺井藤一さんは最高齢の90歳。その卓越した技術を継承しようと、藤一さんの監督のもと、お孫さんの嶺井尚人さんによるサバニ建造の記録調査が、本日より始まりました。
奥武島で家業の漁業に従事する尚人さんは、20年ほど前から祖父の藤一さんの手伝いを通して、ハーリー用のサバニの建造技術を学んできました。伝統的な漁業用サバニの建造は今回が初めてです。
建造期間は3ヶ月を予定していて、今日は完成時の船の形状を決める重要な『墨打ち』の作業。尚人さんは藤一さんから細かい指示を受けながら、木をサバニの形に切り出す線を描いていきました。
糸満市で考案され、沖縄県内各地の漁場や漁法に合わせ多様化しながら各地に伝播したとされるサバニ。尚人さんによると、奥武島のサバニは他の地域と比べて側面が小さいそうです。
尚人さんは「おじぃから教わることは難しい」と語りながら「楽しみ半分、緊張半分。作って完成する実感が待ち遠しい」と期待を寄せました。
造船所での作業後、お二人は島内に現存しているサバニの保管場所へ足を運び、各部の形状の確認や採寸作業を行いました。
※造記録調査の概要などは、下記をご覧ください。(沖縄美ら島財団 プレスリリース)