最終更新日:2021年03月03日
今年度に刊行される『南城市の沖縄戦 証言編−大里–』の活用と普及促進のため、同書に掲載される戦争体験者の証言を朗読し、その様子を動画で配信する取り組みがすすめられています。
証言を朗読として鑑賞することで、証言に触れることに親しんでもらい、『証言編』や沖縄戦について若い世代にも関心を持ってもらおうと、朗読者には県内で活躍する若手俳優などで結成された『演撃戦隊ジャスプレッソ』が起用されました。
演撃戦隊ジャスプレッソのメンバーで、南城市出身の井上あすかさんは、沖縄戦前夜に大里で起きた軽便鉄道の爆発事故に巻き込まれ、米軍上陸後は女子学徒隊に動員された大里村目取真出身の女性の証言を朗読。「実際にあったことをどれだけ忠実にできるか」と真剣な表情で語り、「私たちと同じ世代や若い世代、戦争体験者の子どもの世代に動画を見て欲しい」と呼びかけました。
同じ劇団のメンバーで、市役所文化課の市史編さん係専門員として証言の書き起こしを行った照屋愛さんも南城市出身。平和学習などで知った沖縄戦と比べて「文字や写真では伝わらない感情を実感できた」と振り返りました。
照屋さんに誘われ、実際に事故が起こった場所へ赴いた井上さんは「いまは事故があったとは想像できない風景になっている。証言に触れることで違ってみえてくる」と、証言を継承する重要性を語りました。
5人の戦争体験者の証言を朗読した動画は、YouTubeチャンネル「なんじょうデジタルアーカイブ」で、3月中に公開予定です。